展覧会「紅白 夢の競演!─さまざまな国の“赤”と“白”─」が、東京の文化学園服飾博物館にて、2022年12月9日(金)から2023年2月14日(火)まで開催される。
「色」は衣服における重要な要素のひとつであり、時として個人や民族の思想を反映したり、着用者の立場を表したりと、さまざまな解釈が与えられている。なかでも赤は、太陽や火、血の色に通じることから、生命力や力強さ、権威の象徴と捉えられる一方、色味を持たない白は、清潔、純真、あるいは神聖といった意味を付与されてきた。展覧会「紅白 夢の競演!─さまざまな国の“赤”と“白”─」では、これら「赤」と「白」の2色に着目し、約40か国の衣装を紹介する。
成年儀礼や婚礼、葬礼といった節目の儀礼や祭礼では、日常とは異なる特別な衣服を身に着ける。これらの衣服には赤と白が数多く見られ、国や民族によって異なる意味が込められている。本展では、日本の白無垢やイギリスのウェディングドレス、ガーナの葬礼用巻衣「アティンクラ」などとともに、衣服に込められた人びとの想いを紹介する。
しばしば衣服の色は、着用者の富や権威などのステータスを象徴する。これは主に、染料や材料の希少性に関わっており、国や地域によって重視されるものは異なる。たとえば、海から離れた山岳地帯ならば、貝や珊瑚を身に着けることがステータス・シンボルとなる。会場では、赤と白をこうした視点から捉えつつ、インドの上衣「アンガルカ」やフィリピンの耳飾り「パトリング」などを展示する。
衣服の色はまた、コミュニティ内における着用者の社会的立場を示す役割を担うことがある。男性の社会的地位、女性の未婚・既婚の別、あるいは居住地やグループなどを身なりで示すことで、秩序を保とうとしてきたのだ。本展では、南アフリカ共和国の前掛「イジョゴロ」やパレスチナ地域のドレス「ソブ」などから、コミュニティにおける赤と白の役割を探る。
世界各国や各地域でさまざまな宗教が信仰されているなか、白は重要な意味を持つ色として捉えられることがある。色味を持たず、透明感や清らかさを連想させる白は、ほかの色とは一線を画する色であり、しばしば穢れのない心を表してきた。会場では、日本の小忌衣やエチオピアの女性用衣装など、祈りの意味が込められた白の衣服を紹介する。
展覧会「紅白 夢の競演!─さまざまな国の“赤”と“白”─」
会期:2022年12月9日(金)~2023年2月14日(火)
会場:文化学園服飾博物館
住所:東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル 1階
開館時間:10:00~16:30
※12月16日(金)、1月20日(金)は19:00まで
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:日曜日、祝日、12月28日(水)~1月5日(木)
入館料:一般 500円、高校・大学生 300円、小・中学生 200円
※20名以上の団体は100円引き
※予定は変更となる場合あり(最新情報については博物館ホームページにて確認のこと)
【問い合わせ先】
文化学園服飾博物館
TEL:03-3299-2387