東京・目白の霞会館記念学習院ミュージアムでは、リニューアルオープン記念展「学習院コレクション 華族文化 美の玉手箱 —芸術と伝統文化のパトロネージュ」を、2025年3月14日(金)から5月17日(土)まで開催する。
天皇家や皇族、華族ゆかりの美術作品など約25万点を収蔵する「学習院大学史料館」が、2025年3月、「霞会館記念学習院ミュージアム」としてリニューアルオープン。これを記念して開催される特別展「学習院コレクション 華族文化 美の玉手箱 —芸術と伝統文化のパトロネージュ」では、皇室などによる芸術と伝統文化の支援に着目し、約100件の絵画や工芸品などを紹介する。
古くから世界各地では、芸術の創作と発展には、王侯貴族をはじめ、それぞれの時代に活躍した人々が重要な役割を担ってきた。日本でもまた、天皇家や貴族など、国家を支えた人々のもとに文化と芸術が育まれ、連綿と受け継がれてきたのだ。
たとえば、近代化が推進された明治時代には、それまで大名家に支えていた絵師や工芸職人は庇護を失い、新たな創作の道を探らなければならなかった。こうしたなか、天皇家をはじめとする多くの「パトロン」は、職人らの才能と技術を守るため、製品制作を積極的に依頼したのであった。
また、文化は、皇室の儀式や行事を通じても継承されてきた。たとえば、明治時代に始まり、現在もなお続く「ボンボニエール」は、慶事の際に贈られる菓子器であり、金工製や陶磁製など、高度な技術を駆使して作られている。また、上皇后の「ローブ・モンタント」は、洋装のドレスでありながら、伝統的な織物「佐賀錦」を用いるなど、日本ならではの伝統技術を取り入れたものだ。
本展では、霞会館記念学習院ミュージアムのコレクションのなかから、上皇后が着用した「ローブ・モンタント」、鶴亀形や和船形のボンボニエール、「色絵金彩鳳凰文煎茶碗皿」や「色絵萩鳥文洋食器セット」といったテーブルウェアなどを公開。芸術や文化の支援をテーマに、絵画や工芸品などを、6つのコーナーで紹介する。
リニューアルオープン記念展
特別展「学習院コレクション 華族文化 美の玉手箱 —芸術と伝統文化のパトロネージュ」
会期:2025年3月14日(金)〜5月17日(土)
会場:霞会館記念学習院ミュージアム
住所:東京都豊島区目白1-5-1 学習院大学 目白キャンパス内
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:日曜日・祝日(3月20日(木・祝)、4月13日(日)・27日(日)は開館)、4月14日(月)
観覧料:無料
【問い合わせ先】
霞会館記念学習院ミュージアム
TEL:03-5992-1173