特別展「愛と平和の江戸絵画」が、神奈川・箱根の岡田美術館にて、2025年6月8日(日)から12月7日(日)まで開催される。
約260年にわたる江戸時代は、平和が長く続いた、世界的に見ても珍しい時代であった。政情が安定し、経済が繁栄するなか、江戸時代にはさまざまな文化が育まれ、美術においても幅広いジャンルと表現が生まれることになった。
特別展「愛と平和の江戸絵画」は、岡田美術館の収蔵作品のなかから、「愛」と「平和」をテーマに江戸絵画を紹介する展覧会。重要美術品である伊藤若冲《孔雀鳳凰図》を筆頭に、生き物を描いた絵画から、愛する人の存在を直接的に、あるいは間接的に描いた作品、そして琳派作品や浮世絵まで、さまざまな作品を公開する。
日本では、華やかな花鳥から小さな虫や魚まで、さまざまな生き物が絵画に描かれてきた。なかでも江戸時代には、写実的な作品が数多く手がけられたり、愛らしい子犬が描かれたりと、数多くの作例を見出すことができる。本展では、泰平の世を象徴する鳳凰と、邪気を払うとされた白孔雀を、細密な描写で表現した若冲《孔雀鳳凰図》のほか、渡辺崋山が虫や魚を緻密に描いた書画帖『虫魚帖』など、生き物の姿を捉えた作品を展示する。
江戸時代には、遊女や役者を描いた浮世絵ばかりでなく、愛する人の存在を直接的に、あるいは間接的に描いた作品もまた制作された。会場では、人物を描かず、着物や帯によって人物の存在をほのめかす《誰ヶ袖図屏風》や、華やかな衣裳をまとった大勢の男女や子どもを描いた、浮世絵師・宮川長春の絵巻物《遊楽図巻》など、愛する人の存在をさまざまなかたちで表現した作品を目にすることができる。
平和が続いた江戸時代には、現世を楽しむ男女の姿を描いた風俗画が数多く手がけられ、浮世絵の誕生に繋がることとなった。本展では、比叡山のふもとに位置する修学院離宮を舞台に、秋の庭園で行楽を楽しむ男女を描いた《修学院図屏風》や、歌川広重が箱根の人気観光地を描いた肉筆画《箱根温泉場ノ図・箱根湖上ノ不二》のほか、都市の洗練された美意識を繁栄する琳派の作品などを紹介する。
なお、特別展「愛と平和の江戸絵画」とあわせて、近代京都画壇を代表する日本画家・上村松園を紹介する特集展示「生誕150年記念 上村松園と京都」も開催。清らかで気品あふれる美人画を残した松園の作品から、《晴日》、《夕涼》、《上臈観書之図》の3点を公開する。
特別展「愛と平和の江戸絵画」
会期:2025年6月8日(日)~12月7日(日) 会期中無休
会場:岡田美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般・大学生 2,800円(2,550円)、小学・中学・高校生 1,800円
※( )内は前売料金
【問い合わせ先】
岡田美術館(代表)
TEL:0460-87-3931