展覧会「橋口五葉のデザイン世界」が、栃木の足利市立美術館にて、2025年4月5日(土)から5月18日(日)まで開催される。その後、東京の府中市美術館、愛知の碧南市藤井達吉現代美術館、福岡の久留米市美術館に巡回予定だ。
『吾輩ハ猫デアル』をはじめ、夏目漱石や泉鏡花といった作家の装幀を手がけた橋口五葉(はしぐち ごよう)。五葉は、新板画の先駆者として活躍する一方、三越のポスターといった商業グラフィックを制作するなど、グラフィックデザイナーとしても数多くの仕事を残した。
展覧会「橋口五葉のデザイン世界」では、五葉のグラフィックデザインを紹介。漱石の『吾輩ハ猫デアル』といった書籍の装幀を中心に、グラフィックデザイン、絵画、新板画など、幅広い領域で五葉が手がけた作品を展示する。
1881年(明治14年)に生まれた五葉は、東京美術学校(現・東京藝術大学)在学中に漱石と知り合い、明治38年(1905年)、漱石の小説家デビュー作である『吾輩ハ猫デアル』の装幀で注目を集めることになった。五葉はその後、『三四郎』や『それから』、『行人』など、漱石の著作の装幀に携わるほか、泉鏡花ら日本近代文学を代表するさまざまな作家の著作で装幀を手がけた。
本展では、五葉のグラフィックデザインの仕事を、書籍の装幀を軸に紹介。『吾輩ハ猫デアル』をはじめ、漱石や鏡花などの装幀本を30点以上集めて公開するほか、ヨーロッパの装飾デザインへの関心のもとで生みだされたグラフィックデザインも紹介する。
また、五葉は新板画の先駆者としても知られている。新板画とは、大正時代から昭和時代にかけて興った木版画であり、絵師・彫師・摺師の三者が協働する江戸時代以来の木版技術に基づきつつ、近代的な表現を取り入れた木版画作品を追求するものであった。会場では、《髪梳ける女》や《化粧の女》など、五葉が手がけた新板画の美人画を目にすることができる。
展覧会「橋口五葉のデザイン世界」
会期:2025年4月5日(土)~5月18日(日)
会場:足利市立美術館
住所:栃木県足利市通2-14-7
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(5月5日(月・祝)は開館)、4月30日(水)、5月7日(水)
観覧料:一般 1,000円(800円)、高校・高校生 700円(560円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※各種障がい者手帳の提示者および介護者1名は無料
※第3日曜日「家庭の日」(4月20日、5月18日)は、中学生以下同伴の家族は無料
■巡回情報(予定)
・東京会場
会期:2025年5月25日(日)~7月13日(日)
会場:府中市美術館
住所:東京都府中市浅間町1-3
・愛知会場
会期:2025年7月23日(水)~8月31日(日)
会場:碧南市藤井達吉現代美術館
住所:愛知県碧南市音羽町1-1
・福岡会場
会期:2025年9月13日(土)~10月26日(日)
会場:久留米市美術館
住所:福岡県久留米市野中町1015
【問い合わせ先】
足利市立美術館
TEL:0284-43-3131