1859年に開港した横浜は、いち早く西洋文化が取り入れられた街。現在でも異国情緒溢れるレトロ建築や老舗喫茶店が数多く残っている。
今回は、そんな横浜のノスタルジックな気分に浸れる“レトロスポット”を紹介。異国や時空を旅する気分で横浜散策を楽しんでみては?
「ホテルニューグランド」は、横浜・山下公園通り沿いに佇むヨーロッパスタイルのクラシックホテル。元々「ホテルニューグランド」のある海岸通りには、横浜港を利用する外国人向けの高級ホテルが軒を連ねており、その中にはかつての“横浜のシンボル”「グランドホテル」もあったが、関東大震災によって倒壊。日本の玄関とも言える横浜の地に新しいホテルの建設が急務となり、「ホテルニューグランド」が1927年に開業した。
ホテル本館は、東洋と西洋の要素を取り入れた重厚な佇まいが魅力的。ルネサンス様式やアールデコ様式を思わせる西洋風の大階段やザ・ロビーには、京都川島織物の綴織や和紙を使用した吊り灯籠を模した照明など、東洋のエッセンスが随所にちりばめられている。どこを切り取っても絵になる空間なので、記念撮影を楽しんでSNSでシェアするのもおすすめだ。
「ホテルニューグランド」発祥とされている“レトログルメ”も要チェック。中でも注目したいのは、華やかなデザート「プリン・ア・ラ・モード」だ。将校夫人たちを喜ばせたいという想いで当時のパティシエが考案したというこのデザートは、豪華に見えるようにあえて足が付いた横長の器を使っているのが特徴。固めのプリンやさっぱりとしたバニラアイスなど、開業当時から変わらない味を堪能して。
横浜には、一歩足を踏み入れるだけでタイムスリップしたような気分が味わえる老舗喫茶店が多く立ち並ぶ。中でも“明治の西洋館”を再現した「馬車道十番館」は、開港当時の雰囲気を堪能したい人におすすめ。当時の趣を残すガス灯や公衆電話を眺めながら店内に入ると、アンティーク時計やステンドグラスが彩りを添えるクラシカルな空間が広がる。
喫茶室のイチオシは、“ハイカラ”なデザート「十番館プディング ロワイヤル」。開港当時の建物に使用されていた“赤レンガ”をイメージした四角いプリンは、程よいかたさと濃厚な味わいが魅力的だ。アイスクリームやフレッシュフルーツと合わせて食べれば、よりいっそう奥深い味わいに。ドリンクは、レトロ可愛いクリームソーダをチョイスして。
なお「馬車道十番館」は、山手十番館創業より3年後の1970年に創業。5階建ての建物の中には、喫茶室のほかに英国風酒場・レストラン・宴会場があり、カジュアルなシーンからフォーマルなシーンまで用途に合わせて利用できる。
閑静な代官坂にひっそりと佇む“レトロアメリカン”なサンドイッチ専門店「バイミースタンド 横浜元町店」もチェック。元の建物の雰囲気を残しつつリノベーションしたという店内には、アンティークなソファやレトロポップなアートが飾られており、入った瞬間からまるで映画のワンシーンに迷いこんだかのようなドラマチックな気分を味わえる。
メニューには、“シャキシャキ”リンゴやとろけるチーズを挟んだ「アップルチークス」や、ブルーチーズとオレンジのコンビネーションを楽しめる「ブルーマンデー」など、ユニークなサンドイッチがずらり。“アメリカンダイナー”を思わせるおしゃれな空間で、とびきり美味しいサンドイッチを堪能してみてはいかがだろう。