メゾン マルジェラ(Maison Margiela)の2023年秋冬「Co-Ed」コレクションを紹介。
2022年の「アーティザナル」コレクションで発表した、映画と演劇を一体化させた「シネマ・インフェルノ(Cinema Inferno)」。妊娠し、傷を負い、虐待する両親の横死をきっかけに逃亡を続ける恋人たちの物語を描いた作品だ。
そんな「シネマ・インフェルノ」を引き継ぐ2023年秋冬「Co-Ed」コレクションは、物語の主人公カウントとヘンの出産が着想源。映画のループの中に閉じ込められていた2人の子供を想像し、彼らの美学を融合させたコレクションを展開していく。
まず最初に目を引くのは、ウォルト・ディズニー・カンパニーとタッグを組んだアイテム。「シネマ・インフェルノ」に登場したカーボーイたちを彷彿させるウエスタン風のコートには、ミッキーマウスの耳のようなモチーフを「デコルティケ」の手法によって浮かび上がって見えるように表現した。また、「レチクラ」のヴィンテージを再利用したTシャツや帽子には、ミッキーマウスがプリントされている。なお、ウォルト・ディズニー・カンパニーとのコラボレーションは、ジョン・ガリアーノの幼少期の潜在的な喜びの記憶がきっかけとなっている。
ペンドルトン(PENDLETON)とコラボレーションしたアイテムも、豊富なバリエーションでランウェイに登場。シャツからカーディガン、ロンパース、アウターまでコレクションを構成するあらゆるものに暖かみのあるチェック柄ウールが用いられている。
また、コレクションに使用された多種多様な素材は、不運な恋人たちの物語を描いた「シネマ・インフェルノ」のような複雑性を高めていくように感じられる。チュールやベルベットなどで仕立てたパーティドレスには、カジュアルなウールシャツを合わせて、意外性のあるスタイリングを提案。イブニングコートは、シルクガザール、ラメ入りブロケード、チェンジングコットンなど、高級感のある素材で仕立てられている。
ジェントルモンスター(GENTLE MONSTER)とのコラボレーションにより誕生したアイウェアは、オーバーサイズ、オーバル、キャットアイ、ウェイファーラー、クラブマスターといった多彩なシルエットで登場。また、足元に彩りを添えるシューズも多彩なバリエーションで発表された。
メゾン マルジェラのアイコンシューズ“タビ”からは、つま先の形を初めて進化させた新作をリリース。アーモンド形のつま先が特徴で、ラスベガスをイメージした煌びやかなパステルカラーで展開される。さらに、ラバーで強化された“タビ”のウェリントンブーツや、10cmヒールの“タビ”パンプスなども揃う。