1980年にベネディクト・タッシェン(Benedikt Taschen)が設立。アートブックのリーディングカンパニーとして様々な作品集やアート関連の書籍を20以上の言語で刊行し、世界90カ国以上で販売する出版社。本社はドイツ・ケルンのホーエンツォレルンリング(Hohenzollernring)。2012年1月現在、直営店12店舗を世界7カ国で展開している。
創立者のベネディクトは18歳の時に、自身のコミックコレクションを売るためのショップを生まれ故郷であるケルンにオープン。1年もたたないうちにカタログを出版し、1984年にはシュルレアリストのルネ・マグリットの売れ残りの本を4万部安値で仕入れ、販売に成功した。これがきっかけで、アート市場が民主化されておらず、アートや文化が金持ちのためだけにあることに気づき、そこにビジネスチャンスを見出した。そこで、マグリットの本を彼のオリジナルとして再版し、翌年には彼の初のオリジナルアートブックであるピカソの本を出版した。
1980年代終わりには世界展開し、建築やデザイン、写真、ライフスタイル、クラシックに至るまで幅広い分野に渡る、優れたアートブックを世に送り出してきた。そして、世界でも最も成功した独立出版社となった。
タッシェンの本には有名なものがたくさんあるが、中でも1999年に出版されたヘルムート・ニュートン(Helmut Newton)の「SUMO」は初の大型限定本として話題となった。この本に関わった80人以上のセレブリティがサインしたものが、オークションで32万ドル以上の値がつき、20世紀における世界史上最高値の本となった。
日本では、インテリアショップを展開する株式会社バルスが、日本初のタッシェンのコンセプトストア「TASCHEN Store(タッシェンストア)」を2011年にインテリアショップのBALS東京銀座内にオープンするも、2016年、BALS東京銀座が閉店。