2052年に80歳の誕生日を迎えたジュリアは、これまでの充実した人生に満足しつつも、過去を振り返り自分が過ごしていたかもしれない別の人生に思いを馳せていた。ピアニストを⽬指していた17 歳の秋。ベルリンの壁崩壊を知り友⼈たちとベルリンへ向かった⽇、「もしバスに乗り遅れなかったら︖」「本屋で彼に出会ってなかったら︖」「シューマン・コンクールの結果が違ったら︖」「私が運転していたら︖」ジュリアは、そんな何気ない瞬間から枝分かれしていった4つの人生を思い描く。そのどれもが決して楽なわけではないけれど、愛しい人たちとのかけがえのない日々で満たされていて眩しさに満ちている。果たして、幾通りもの人生の選択肢から、幸せな“今”に繋がるたった一つの人生とは?
監督を務めるオリバー・トレイナーは、短編映画『ピアノ調律師』で美しいピアノの旋律とストーリー展開で多くの人々を引き込み、フランス版アカデミー賞と謳われる第37回セザール映画賞の短編部門ほか6つの賞を受賞した。
長編映画デビュー作となる映画『ジュリア(s)』の舞台となるのは、2052年のパリ。誕生日を迎えたジュリアは、これまでの充実した人生に満足しつつも、あの時あの場所で違う選択をしていたらどのような人生を歩んでいたのか、思いを馳せていた。その空想から、パリ・アムステルダム・ベルリン・ニューヨークで繰り広げられる4つの異なる人生を描く。偶然と運命を詩的に織り交ぜながら、些細な選択の積み重ねにより変化していく人生を見事に描いた、誰の胸にも響く感動の物語に仕上げた。