幼い頃に、ただ1人の家族だった母を事故で亡くしたひな菊。長く寂しい梅雨の夜、小さなひな菊はひとり、たて笛を吹く。その音を聞きつけてはやって来て、彼女を唯一支えたのは親友のダリアだ。ダリアが母の故郷ブラジルへと旅立ち十数年。大人になったひな菊は、叔父と叔母が営むお店で梅雨のある日、母を亡くした夜と同じ土砂降りの中、ブラジルから1通の手紙が届く。そこには、遠く離れ、二度と会うことのなかった二人の孤独な魂の不思議なつながりが記されていてーー。
映画『ひな菊の人生』は、吉本ばなな著、絵・奈良美智の原作小説「ひな菊の人生」を劇場アニメーション化した作品。吉本ばななと奈良美智のタッグによって生まれた、孤独なひな菊の人生物語を湯浅政明が監督を務め、アニメ映画化する。幼少期のキャラクターは、奈良美智の原作挿画をもとに制作。脚本は、田中幸子が手掛ける。アヌシー国際アニメーション映画祭2025「ワーク・イン・プログレス(Work in Progress)」部門に選出。