理子の元に突然かかってきた警察からの電話。何年も会っていない兄が、死んだという知らせだった。発見したのは、兄と住んでいた息子の良一だという。「早く、兄を持ち運べるサイズにしてしまおう」東北へと向かった理子は、警察署で7年ぶりに兄の元嫁・加奈子とその娘の満里奈と再会する。兄たちが住んでいたゴミ屋敷と化しているアパートを片付けていた3人が見つけたのは、壁に貼られた家族写真。子供時代の兄と理子が写ったもの、兄・加奈子・満里奈・良一の兄が作った家族のもの……。同じように迷惑をかけられたはずの加奈子は、兄の後始末をしながら悪口を言いつづける理子に言う。「もしかしたら、理子ちゃんには、あの人の知らないところがあるのかな」もう一度、家族を想いなおす、4人のてんてこまいな4日間が始まった。
映画『兄を持ち運べるサイズに』は、村井理子のノンフィクションエッセイ「兄の終い」を原作とする実写映画。絶縁していた兄の訃報に接し、“兄の人生の後片付け”のために翻弄される家族の物語を描く。主演は柴咲コウ、監督は『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太。