アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)の2023年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。
アクネ ストゥディオズのクリエイティブ・ディレクター、ジョニー・ヨハンソンが今季のクリエイションに向けて思いを馳せたのは、スウェーデンの暗い冬。日照時間が数時間しかない暗闇の美しさを、コレクションとセットの両方で表現したいと思ったという。
とりわけフォーカスしたのは、都市のすぐそばにある自然豊かな森。毒々しい蔓や根、不思議な輝きを放つ樹液、刺激的な植物が生息する“ファンタジーの森”のイメージを洋服に落としこみ、神秘的で幻想的なコレクションを完成させた。
コレクションの中でも一際存在感を放っていたのが、柔らかな質感の葉や花のモチーフで構成したアイテムたち。ところどころカットアウトが施され肌が露出したドレスをはじめ、トップスやスカートなどが登場し、今季のテーマを体現している。
生命力あふれる植物のように、躍動感のあるディテールにも目を奪われる。土や雨に濡れて経年変化したかような質感のコートは、首元にボリューム感をもたせて、個性的な表情に。また、蔓や花を散りばめたワンピースや布をぐるぐると身体にまきつけたドレスなども、エネルギッシュなムードを加速させていく。
朽ちた葉や木の根からインスピレーションを得たカラーパレットも、今季のムードを創り上げている重要な要素といえるだろう。グリーンやブラウン、グレーなどのアースカラーをベースに、アシッドイエロー、トキシックピンク、鮮やかなオレンジやブルーといった、どこか毒々しさを感じさせる色調が全体にアクセントを加えている。
ルックに遊び心を加えているのが、バッグやアクセサリーだ。捨てられたソーダ缶をモチーフにしたイヤリング、リングプルや瓶の蓋のチェーンネックレス、錆びたメタルのハンドルが付いたラウンドポーチバッグなど、存在感のあるピースがコレクションを彩っていた。