特別企画展「生誕100年記念 堂本元次」が、京都府立堂本印象美術館にて、2023年4月15日(土)から5月31日(水)まで開催される。
堂本元次(どうもと もとつぐ)は、京都出身の日本画家だ。1923年に生まれた元次は、41年、京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)に入学して日本画家を志すも、2年後に繰り上げ卒業し出征。従軍中には幾たびと死線をさまよい、広島で被曝するなど、過酷な戦争体験を経て、戦後に画家として歩み始めた。
1951年、堂本印象に師事した元次は、師の影響のもとで多様な作品を手がけるも、徐々に独自色を打ち出すようになる。79年に初めて中国を訪れて素朴な風景に魅了されると、これが画風における大きな転機となり、以後、中国風景を題材に作品を発表。深い情熱を持ちつつもこれを抑制する穏やかな表現を展開し、日本画の重鎮として確固たる地位を築くこととなった。
特別企画展「生誕100年記念 堂本元次」では、学生時代から晩年までを網羅し、元次の作品を紹介。出征前に遺作として手がけた《海風渡る老松》、穏やかな水の表現に定評のある《映》、中国風景に新境地を切り拓いた代表作《懸空寺》、そして戦後に手がけた抽象画作品《棚の交錯》や《赤彩視覚》などを目にすることができる。
また、元次と交流のあった画家による作品にも着目。若き日の元次に大きな影響を与えながらも早世した前衛画家・田口壯の作品を特別に展示するほか、学生時代の同級生である下村良之介、大野俶嵩らの作品にも光をあてる。
特別企画展「生誕100年記念 堂本元次」
会期:2023年4月15日(土)〜5月31日(水)
会場:京都府立堂本印象美術館
住所:京都府京都市北区平野上柳町26-3
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(5月1日(月)は開館)
入場料:一般 510円(400円)、高校・大学生 400円(320円)、小・中学生 200円(160円)
※( )は20名以上の団体料金
※65歳以上(要公的証明)、障害者手帳の提示者(介護者1名含む)は無料
※最新の開館情報については、美術館ホームページなどにて確認のこと
【問い合わせ先】
京都府立堂本印象美術館
TEL:075-463-0007