ミントデザインズ(mintdesigns)が、2014-15年春夏コレクションを2014年3月17日(月)に東京・恵比寿にあるガーデンホールにて発表した。
パワフルな音楽とともに幕を開けた今季のショーは、「It's “A”mintdesigns」と名付けられた。「ストレートに言うと“A=ANARCHY(アナーキー)”です。でもストレートに言うと、ミントデザインズらしくないし私たちがやる意味がないと思ったので、シンボル的に表現しました」とデザイナーの八木奈央がテーマについて語る。これまでのコレクションでは見られなかった黒レザーやスタッズといったエッジィな要素をふんだんに織り交ぜながらも、全体はいつものミントらしいユーモアを感じさせる。
ライダーズジャケットや多彩なチェック柄など、どことなくブリティッシュな雰囲気が漂っているのは、ともにロンドンで過ごした八木と勝井の学生時代の思い出から。ちょっぴりハードな印象を出しながらも、ジャケットのバックスタイルにはゆるくシャーリングが施されていたり、スタッズにはトレードマークの“ドール”型を混ぜていたりと、さりげないアイディアで遊び心を感じさせる。またスポットライトでキラキラと輝くヘアアクセサリーは、スナップボタンや安全ピンを使用。発表前に即興で行ったというパンチの効いたヘアスタイルは、恐れをしらない学生時代のノリを感じさせる。
またシグニチャーのテキスタイルについても「難しい柄は入れなかった」と勝井が話す通り、ドット柄をチェック柄といったシンプルなパターンが中心。そこにもトランクのようなベルトモチーフや、安全ピン模様などをチェックに見立てたりと、ユニークなアイテムをひとつの模様にしてしまうクリエーションは、見ているだけで楽しくなる。
アイテムは、膝下丈のリラクシングなドレスが多く見られた。ボタン部分を斜めにしたり、アシンメトリーにドレープを効かせたりとアーティな印象。そこに網タイツや赤いタイツを合わせ、スパイスの効いたスタイリングを提案した。また今季はレザージャケットやモッズコートなど、久し振りにメンズアイテムも登場している。
抽象的なイメージを感じさせる前シーズンとも、全く雰囲気の異なる今季について「(自分たちが)最初にファッションに触れたとき、純粋にガーッ!と上がる理由のない気持ちを大切にした」「コンセプトに縛られたくなかった」と八木は話す。アナーキーという言葉を使いながらも“無秩序”や“無政府”といった堅苦しい意味合いではなく、自由な発想のもとライブ感を重視して創られたコレクションは、エネルギッシュなスピード感で溢れていた。