アンダーカバー(UNDERCOVER)の2024年春夏メンズコレクションが発表された。
今季のアンダーカバーは、アイルランドの民話に登場する、泣き叫ぶ妖精をイメージしたという。その雰囲気は、色彩を抑制した、ダークかつエレガントなもの。たとえば、テーラードジャケットはセットインで上品な構築を示しつつ、ボクシーなシルエットと長すぎない丈感により、程よい抜け感をもたらした。
随所に用いた存在感ある花柄も、陰鬱なムードを掻き立てる。テーラードジャケットやカーディガン、スカートなどにはダークトーンの花柄を採用するほか、グリーンやオレンジを基調とした柄なども用いた。
テーラリングが端正さを示す一方、ダークな雰囲気に呼応するアグレッシヴな要素も。そこにはたとえば、Tシャツやドレスシャツをベースに解体・再構築したデザインを挙げることができる。
今季は、ペインターのヘレン・バーホーベン(Helen Verhoeven)の作品を取り上げたシリーズも展開。陰鬱な雰囲気を湛えた人物像を、ブルゾンやシャツ、ショートパンツ、フーディなどにのせ、ダークでありながらもユーモアに飛んだ表情に仕上げた。