イージェイ シェヤン(EJ SHEYANG)の2024年春夏コレクションが、2023年8月29日(火)に表参道ヒルズ・スペース オーで発表された。
2022年に中国系アメリカ人デザイナーのシェヤン・ジン(SHEYANG JIN)によって立ち上げられ、今季初めて楽天ファッション・ウィークに参加したイージェイ シェヤン。“あらゆる年齢、性別、人種に合う服”を志向しており、いわゆるデッドストックデニムをはじめとするリサイクル素材や、精巧な職人技へのリスペクトを感じさせる製法を駆使し、時代を超えて愛されるアイテムを提案している。
そんなイージェイ シェヤンの2024年春夏コレクションは、シェヤン・ジン自身が夜の東京で目にした“コンクリート”を着想源に展開。建設中の建物のコンクリートと、そこに反射する街灯の光から感じ取ったイメージを、それぞれのピースの中で対比構造として落とし込んでいる。
例えば、ジャケットや膝下まで伸びるロングコートなどに見られる四角形のシルエットは、夜のコンクリートの“硬い”印象を表現したもの。加えて、床につくほど長い丈のドレスやパンツには、すべてを飲み込む漆黒の夜のようなイメージが見て取れる。
一方、各ピースに採用する素材において、コンクリートの“硬さ”と相反する“柔らかさ”を強調。“硬い”印象のシルエットと、レザーやサテン生地の“柔らかい”質感とが、相反する表現として共存している。
ブラックを基調としたダークなカラーパレットの中でアクセントを加えているのが、ブルーやホワイトといったライトな色味。ポイント使いされたブルーは、夜のコンクリートに差し込む光のような軽やかさを兼ね備えている。また、イージェイ シェヤンならではのデッドストックデニムのウェアも、カラーリングに奥行きをもたらしていた。
袖口や裾にあしらわれたリボンのような装飾や、トップスの首元のフリルなどにも注目。これらのダイナミックなディテールはモデルが動くたびに軽快なリズムを刻み、硬くどこか静的なムードが漂うコレクションにエネルギッシュなアクセントを添えていた。