リンシュウ(RYNSHU)の2024年春夏コレクションが、東京・新国立美術館にて発表された。
今季のリンシュウは、“Bitter Sweet Romantic”がテーマ。ロマンティックな恋に落ちたときの甘い瞬間や、淡く苦い思い出、燃え上がるような情熱を衣服に落とし込んだ。そんなコレクションをパリの2024年春夏ファッションウィーク前に、東京にて先行公開。会場の青い光が、ドレスコードであるブラックの装いに身を包んだ観客を照らしていた。
ファーストルックには、軽やかに透けるオーガンジー素材のドレスが登場。ネイビーからブルー、ライトブルー、ピンク、ホワイト…と移り変わる甘い恋心を表しているかのようなカラーリングが印象的だ。また、深いブルーのシルクサテンシャツにオーガンジーを組み合わせたシャツドレスや、袖のスリット部分からピンクのオーガンジーが見えるテーラードジャケットなど、エレガントなルックが散見された。
“胸の内で密かに燃える想い”を体現したデザインも今季ならでは。黄色と赤、黒白のユニークなアート柄を自在に型取り、組み合わせているのが特徴だ。ジャケットをはじめ、ハーフパンツやドレス、ブーツなどの多彩なラインナップには、“自分の気持ちを自由に伝えてほしい”というデザイナー 山地正倫周・りえこの思いが込められている。
また特徴的なのが、ランウェイの中盤から鮮やかなカラーパレットのルックが披露された点。ブラックやネイビーなどのベーシックカラーとパステルカラーを基調とする中、ピンクのロングジャケットとハーフパンツ、光沢のあるブルーのセットアップや輝くグリーンのドレスが、コレクション全体に大胆なアクセントを加えていた。
ラストは、ツヤ感のあるブルーとネイビーのテーラードに、立体的なブラックのオーガンジースカートを合わせた“嵐の前の夜明け”を暗示するモダンモノトーンで幕を閉じた。ロマンティックな夏を予感させる。