金沢21世紀美術館では、展覧会「コレクション展2 電気-音」を、2023年11月18日(土)から2024年5月12日(日)まで開催する。

「音」と「電気」にまつわる現代美術

「コレクション展2 電気-音」は、「音」と「電気」に着目し、金沢21世紀美術館のコレクションを紹介する展覧会だ。ジョン・ケージ、毛利悠子、塩見允枝子、田中敦子などの作品を展示するとともに、招へい作家として小松千倫と涌井智仁を迎える。

現代の人々は、自然の環境音から人工の電子音まで、多種多様な「音」とともに生活している。そして、「音」と深く関わる作品は、金沢21世紀美術館のコレクションにおいて、「電気」と不可分な関係にある。これは、「音」を記録、再生するうえで、「電気」を欠くことができないからだ。

また、音自体は目に見えないものの、痕跡や素描、電気信号、データといったさまざまな方法で変換され、視覚的に捉えられてきた。このように音に形を与える手法は、レコーダーやプレイヤーなど、音響を再生する技術と呼応しつつ発達してきたのみならず、「記録と再生」や「保存と修復」といった現代美術にまつわる課題をも浮かび上がらせるものである。

本展では、こうした視点から、「音」と「電気」にまつわる作品を紹介。ノイズを含むあらゆる音を録音、集積し、世界の複雑さを視覚化した、カールステン・ニコライの《リアリスティック》を15年ぶりに公開するほか、電子音楽最初期のスコアであるジョン・ケージの版画作品「フォンタナ・ミックス」、フルクサスのメンバーとしても活動した塩見允枝子の《イヴェント小品集》、「音楽の小瓶」シリーズなど、2022年の収蔵作品も初披露する。

また、本展では、音楽をはじめ多岐にわたる分野で活動する現代美術家、小松千倫と涌井智仁を招へい作家に迎え、新作を発表。小松は、展示空間自体が音の再生装置となる《Earless》を金沢21世紀美術館で初披露する一方、涌井は、アナログ音声信号を数千mにおよぶケーブルで伝送し、アナログ音声信号が持つ物質性を露わにする作品を展示する。

展覧会概要

「コレクション展2 電気-音」
会期：2023年11月18日(土)〜2024年5月12日(日)
会場：金沢21世紀美術館 展示室1・3〜6
住所：石川県金沢市広坂1-2-1
開場時間：10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
※観覧券販売はいずれも閉場30分前まで
休場日：月曜日(1月8日(月・祝)、2月12日(月・祝)は開場)、 12月29日(金)〜1月1日(月・祝)、1月4日(木)・9日(火)、2月13日(火)、4月30日(火)、5月7日(火)
観覧料：一般 450円(360円)、大学生 310円(240円)、小学・中学・高校生 無料、65歳以上 360円
※( )内は20名以上の団体料金
※美術奨励の日(会期中の毎月第2土曜日)は、金沢市民の観覧無料

■出品予定作家
ジョン・ケージ、ジャネット・カーディフ＆ジョージ・ビュレス・ミラー、毛利悠子、カールステン・ニコライ、塩見允枝子、エリアス・シメ、田中敦子、小松千倫(招へい作家)、涌井智仁(招へい作家)

【問い合わせ先】
金沢21世紀美術館
TEL：076-220-2800