特別展「須田国太郎の芸術—三つのまなざし—」が、大分市美術館にて、2024年1月5日(金)から2月18日(日)まで開催される。その後、兵庫の西宮市大谷記念美術館、広島の三之瀬御本陣芸術文化館、東京の世田谷美術館に巡回する。
須田国太郎(すだ くにたろう)は、「東西の絵画の綜合」という壮大なテーマのもと、日本の精神文化に根ざした油彩画を探った近代洋画家だ。1891年京都に生まれた須田は、1919年に渡欧。スペインを拠点にヨーロッパ各地を訪れ、ヴェネツィア派やバロックの絵画の模写を通じて、西洋絵画の表現技法を探求している。制作に注力し、発表することはなかったものの、34年からは、多様な表現を展開した洋画団体「独立美術協会」を中心に、意欲的な作品を発表した。
特別展「須田国太郎の芸術─三つのまなざし─」は、《唐招提寺礼堂》や《黄豹》、《鵜》といった、初期から晩年にいたる須田の作品約60点に加えて、関連する写真約100点やデッサン約50点など、約410点の作品や資料を一堂に集めて紹介する。
本展では、「旅」「能・狂言」「真理」という3つのテーマのもと、須田の軌跡を紹介。「旅」にまつわる視点では、1919〜23年にかけてのヨーロッパ滞在をはじめとする須田の旅に着目し、須田が旅先で撮影した写真、旅先で写生するために用いた道具類などをあわせて展示し、旅が須田の制作に与えた影響を探る。
須田は10代の頃より、謡曲を習うなど能に関心を寄せていた。また、能舞台を鑑賞し、デッサンを数多く残している。会場では、《山姥》などの能にまつわる須田の作品を通して、須田の幽玄へのまなざしを紹介する。
須田は、大学院在学中には「絵画の理論と技巧」をテーマに研究を行い、並行してデッサンを学ぶなど、制作と学術研究の両面から芸術における真理を探究した。本展では、須田の活動における「真理」という視点から、《犬》をはじめとする代表作や著作を展示する。
特別展「須田国太郎の芸術—三つのまなざし—」
会期:2024年1月5日(金)〜2月18日(日)
会場:大分市美術館 企画展示室
住所:大分県大分市大字上野865
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:1月9日(火)・15日(月)・22日(月)・29日(月)、2月13日(火)
観覧料:一般 1,000円(800円)、高校・大学生 700円(500円)
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※前売券は、2023年12月1日(金)から2024年1月4日(金)まで、大分市美術館、ローソン(Lコード 83025)、セブン-イレブン(Pコード 686-676)ほかにて販売
※上記観覧料でコレクション展もあわせて観覧可
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の提示者および介護者は無料
■巡回情報
・愛知会場
会期:2023年10月28日(土)~12月17日(日)
会場:碧南市藤井達吉現代美術館(愛知県碧南市音羽町1-1)
・兵庫会場
会期:2024年3月2日(土)〜4月21日(日)
会場:西宮市大谷記念美術館(兵庫県西宮市中浜町4-38)
・広島会場
会期:2024年5月1日(水)〜6月24日(月)
会場:三之瀬御本陣芸術文化館(広島県呉市下蒲刈町三之瀬311)、蘭島閣美術館(広島県呉市下蒲刈町三之瀬200-1)
・東京会場
会期:2024年7月13日(土)〜9月8日(日)
会場:世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園1-2)
【問い合わせ先】
大分市美術館
TEL:097-554-5800