京都・東映太秦映画村が、2024年から2028年にかけて大規模リニューアル。2025年に第1期リニューアルオープン、2028年までに全面リニューアルを目指す。
「東映太秦映画村」は、1975年、日本初の映画づくりを見学できるテーマパークとして、屋内スタジオ13棟を所有する「東映京都撮影所」内に誕生。江戸の街並みを再現したオープンセットをはじめ、侍や忍者の変身体験、映画やテレビに出演するスタントチームによる迫力満点の忍者ショー、東映の俳優がお化けを演じるお化け屋敷、東映キャラクターやアニメの世界を立体的に楽しめるイベントやアトラクションなど、体験型テーマパークとして多くの人々に愛されてきた。
そんな「東映太秦映画村」の誕生50周年を迎えるにあたり、よりわくわくするエンターテインメントを提供できるよう全面リニューアルを実施。リニューアルにより目指すのは次の3つだ。ひとつ目は、「日本の文化を気軽に“体験”できる場所へ」。京都における江戸時代の中へ没入し、自らが江戸時代を体験することを楽しむことを目指す。
2つ目は、「温浴から江戸酒場まで、朝昼夜を通して子どもも大人も満足できる村」。朝は、温浴施設での朝風呂や新鮮な京野菜を提供するマルシェ、昼には映画村で江戸をテーマにした飲食や文化体験を、さらに夜には、ライトアップが施された「太秦江戸酒場」で京都の夜を満喫することができる。
そして3つ目は、「伝統文化の実験場へ」。茶の湯、いけばな、工芸など、伝統文化や老舗が数多く存在する京都において、誰もが伝統文化に触れられる場所、すなわち「実験場」となることを目指している。
では一体、「東映太秦映画村」の何が変わるのか?ここからは、4年間にも及ぶ大規模リニューアルの内容を紹介する。
まず注目したいのは、新たなオープンセットの建設。2024年春までに、2,800㎡の広さに江戸のオープンセットを建設し、実際の店舗などが入居する江戸の建物と街並みを作り出す。時代劇の制作スキルに富んだ撮影所のスタッフが担当するため、クオリティの高いセットが期待できそう。
新しいオープンセット内では、江戸時代にちなんだ新作フードやドリンク、グッズ、体験の提供を予定。江戸の町を散策したり、はたまた迷い込んだり、時には発見を楽しんだりと、様々な体験が可能だ。
江戸時代の湯屋を思わせる、どこか懐かしい幻想的な建築が魅力の温浴施設も誕生。サウナやマッサージのほか、朝風呂も楽しめる。太秦の地から汲み上げる天然温泉となっているのもポイントだ。温浴施設のみの利用も可能となる。
なお温浴施設は、江戸時代の町並み形成に欠かせないもの。当時、至る所に設置された銭湯は、江戸時代の人々にとって娯楽であったのはもちろん、大事な交流の場でもあった。そんな江戸時代の町並みの延長線にある温浴施設は、映画および映画村の世界観に浸れるアトラクション的位置づけとして展開される。
最先端のテクノロジーを使った3~4つの新アトラクション導入に伴い、アトラクション用の建物も建設予定。アトラクションでは、日本画の中に入り込んだり、江戸の町を飛び回ったり、映像や音楽を楽しんだりと、アクティブな体験が用意される。
また、アスレチックを楽しめる忍者の森が誕生するほか、お酒を楽しめる夜の時間帯の充実度を高めるべく、村内をライトアップし夜営業の拡大を図っていく。