カレンテージ(CURRENTAGE)の2024-25年秋冬コレクションが、東京・寺田倉庫で発表された。
カレンテージは、“自分だけのヴィンテージ”をコンセプトに、2017年に塚崎恵理子が立ち上げたファッションブランド。「CURRENT + VINTAGE(今とヴィンテージ)」「CURRENT + AGE(今を生きる世代)」という造語からなるブランド名の通り、世代を超えて愛される洋服に“今っぽさ”を加えたコレクションを展開している。
今シーズンの着想源となったのは、デザイナー塚崎恵理子の“旅の記憶”だ。今まで何度も訪れている馴染みの国イギリスやフランス、久しぶりのドイツ、初めて行く中欧や東欧の国々、そして中央アジアのウズベキスタン…。パンデミックが落ち着いて堰を切るように旅に出た塚崎は、文化も宗教も違う国々で沢山の美しいものに出逢ったという。
旅の中で見たあらゆる文化や美しいものを“コラージュ”するかのように、モデルたちが纏う服は素材使いもカラーも、テイストまで様々だ。シアーシャツが肌を透かしたかと思えば、重厚感のあるファーコートが登場したり。無骨なレザーベストに、センシュアルなボディスーツとタイツを合わせたり。モダンとレトロ、マニッシュとフェミニン、タイトとオーバー…それら“異要素”が絶妙なバランスで重なり合い、唯一無二の世界観を作り上げていく。
とりわけ目を引いたのが、“民族衣装”のエッセンスを織り交ぜたルックだ。たとえばパフスリーブのニットに大胆な飾り襟のブラウス、ターバンを頭に巻いたスタイリングは、中欧や東欧の伝統的な衣服からインスピレーションを得たもの。足元にはポインテッドトゥのピンヒールパンプスを合わせて、モダンに再解釈しているのがカレンテージらしい。
コレクションをリズミカルに彩る、多彩な柄使いも見逃せない。ヨーロピアンヴィンテージを思わせる花柄のシャツや、クラシカルな千鳥柄のオールインワン、数種類ものグレンチェックの布をつなぎ合わせたドレスなど次から次へと登場し、見る者を全く飽きさせない。
全体的にどこか色気が漂っているように感じるのは、シャイニーな素材使いによるものだろう。たとえば、ふんわりと空気を孕むバルーンスカートには、メタリックな煌めきを。ベスト&パンツのセットアップには星のような輝きのスパンコール、ニットカーディガンには金箔を思わせるディテール、ボディスーツには身体に沿って光沢を湛えるベルベットを採用し、ドレッシーなムードを加速させた。