コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)は2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年3月2日(土)に発表した。
ベートーヴェンの「月光ソナタ」第3楽章にのせて披露されたコム デ ギャルソンの2024-25年秋冬シーズン。モデルたちは大きく聳えるようなウィッグを着用し、舞踏会さながらの華やかな雰囲気を見せる。ただし、ドレスのほとんどが、黒のフェイクレザーをベースに仕立てられており、モデルたちは怒りの表情を浮かべているのがポイント。コム デ ギャルソン様式のパワフルな宮廷衣装がランウェイを黒の舞踏会へと誘った。
注目を集めたのは、パターンによってボリュームを出したドレスルック。風船のように空気を含んだパーツをいくつもあしらったドレスや、たっぷりとフェイクレザーを用いて分量感を持たせたドレスが登場している。折りたたんだフェイクレザーを連ねていくつものひだをあしらったドレスは、不均一なひだが躍動するかのように生き生きとした表情を見せている。
また、巨大なフリルを裾に配したベルボトムパンツや、大きく折り曲げたフェイクレザーが身体を覆うドレスなど、大胆なディテールも散見された。有刺鉄線柄のドレスは箱のようなスクエアフォルムに仕立て、服の空間を大きくとった仕上がりに。立方体の縦、横のラインにファスナーを走らせており、腕を出す部分の開き方など形を調整することができるようになっている。
豪華絢爛な装飾も随所に散見されている。バラを象った立体的な装飾を配したガウンや、光を受けて繊細にきらめく羽のようなケープは、余韻を残していくような華やかさが魅力だ。また、リボンを大量に連ねたドレスや、ボリュームのあるスカート部分に大きなリボンモチーフを配したドレス、花びらのようなギャザーにホワイトのPVC素材を重ねたドレスも披露された。
ショーのラストには、これまでのルックとは打って変わってすべて真っ白なドレスが唯一登場。柔らかな白の色味と、贅沢に生地を用いたリュクスなシルエットが相まって、神秘的な佇まいを見せた。