特別展「生誕140年記念 石崎光瑤」が、京都文化博物館にて、2024年9月14日(土)から11月10日(日)まで開催される。富山の南砺市立福光美術館、静岡県立美術館でも開催される巡回展だ。
石崎光瑤(いしざき こうよう)は、明治時代後期から昭和時代前期にかけて、京都を中心に活躍した日本画家だ。色鮮やかで華麗な花鳥画を数多く残すとともに、早くから伊藤若冲にも関心を持ち、その代表作《仙人掌群鶏図襖》(重要文化財)を発見、世に紹介している。
特別展「生誕140年記念 石崎光瑤」は、関西初となる光瑤の大規模回顧展。初期から晩年にいたる代表作を一堂に集めて公開するとともに、光瑤が晩年に手がけた大作であり、通常は非公開である高野山金剛峯寺奥殿の襖絵20面を特別展示する。これら20面のうち、8面の《雪嶺》は寺外初公開となる。
明治17年(1884年)富山に生まれた光瑤は、金沢で江戸琳派の絵師・山本光一(やまもと こういつ)に師事。19歳で京都に出ると、近代京都画壇を代表する竹内栖鳳(たけうち せいほう)に入門している。その後、大正5〜6年(1916〜17年)にかけてインドを旅した光瑤は、その成果として熱帯風景の花鳥画《熱国妍春》、《燦雨》を発表し、注目を集めることになった。本展の前半では、《熱国妍春》、《燦雨》、《白孔雀》など、鮮やかで濃密な光瑤の花鳥画を目にすることができる。
光瑤は、大正11〜12年(1922〜23年)にかけてヨーロッパを巡り、西洋絵画を研究した。また、伊藤若冲をはじめ、日本や東洋の古画にも強い関心を寄せている。こうした絵画研究を通して、光瑤の作品は、それまでの鮮やかで華麗な作風から、深みのある洗練されたものへと変化することになった。会場では、金剛峯寺奥殿の襖絵20面を特別に公開するほか、光瑤が発見した若冲の代表作《仙人掌群鶏図襖》の模写作品も展示する。
1930年代後半の光瑤は、大画面に余白を大きくとり、花などを描いた作品を数多く手がけるようになった。徹底した写実、繊細な線描によるこれらの作品は、独特の静謐な雰囲気を湛えている。本展の終盤では、晩年の大作《聚芳》をはじめ、鷹から逃げまどう鷺などを描いた《襲》、余白・省略・均整の表現を追求した《霜月》などを紹介する。
特別展「生誕140年記念 石崎光瑤」
会期:2024年9月14日(土)〜11月10日(日) 会期中に展示替えあり
会場:京都文化博物館 4・3階展示室
住所:京都府京都市中京区三条高倉
開室時間:10:00〜18:00(金曜日は19:30閉室)
※入場はいずれも閉室30分前まで
休館日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料:一般 1,800円(1,600円)、高校・大学生 1,200円(1,000円)、小・中学生 600円(400円)、未就学児 無料(要保護者同伴)
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※障がい者手帳などの提示者および付添者1名までは無料
■巡回情報
・富山会場
会期:2024年7月13日(土)〜9月2日(月)
会場:南砺市立福光美術館(富山県南砺市法林寺2010)
・静岡会場
会期:2025年1月25日(土)〜3月23日(日)
会場:静岡県立美術館(静岡県静岡市駿河区谷田53-2)
【問い合わせ先】
京都文化博物館
TEL:075-222-0888