特別展「はにわ」が、東京国立博物館にて、2024年10月16日(水)から12月8日(日)まで開催される。その後、福岡の九州国立博物館に巡回する。
埴輪(はにわ)は、古墳時代の3〜6世紀にかけて作られた、素焼きの造形だ。日本列島で独自に出現し、発達した埴輪は、服や顔、しぐさなどを簡略化し、丸みを帯びるといった特徴を持っており、世界的にも珍しい造形として知られている。
特別展「はにわ」は、東京国立博物館で約50年ぶりに開催される埴輪の展覧会。埴輪の最高傑作《埴輪 挂甲の武人》をはじめとする国宝18点を含む、約120件の至宝を全国各地から集めて紹介する。
時代や地域ごとに豊かな個性を持つ埴輪のなかでも、国宝《埴輪 挂甲の武人》は最高傑作とされる。この埴輪には、同一工房で製作されたと考えられる、4体のよく似た埴輪があり、国内外の博物館や美術館に所蔵されている。本展では、これら5体の《埴輪 挂甲の武人》を同時初公開。このうち、アメリカ・シアトル美術館が所蔵する埴輪は、約60年ぶりの里帰り展示となる。
埴輪は、王の墓である古墳に立て並べられたものであった。とりわけ、ヤマト王権を統治していた大王の古墳に立てられた埴輪は、大きさや量、技術において抜きん出ている。また、北は東北から南は九州まで、日本列島の幅広い地域で作られた埴輪は、当時の地域ごとの習俗の差、技術者の習熟度、あるいは大王との関係性の強弱にとって、表現方法に違いが見られる。会場では、古墳時代のトップ水準で作られた大王の埴輪の変遷をたどるとともに、日本各地の多彩な埴輪の造形を紹介する。
埴輪が立てられた古墳からは、副葬品も数多く出土している。副葬品は、王の役割の変化と連動し、移り変わってきた。古墳時代前期の王は、司祭者的な役割を担ったため宝器を所有し、中期の王は武人的な役割ゆえに武器や武具を所有している。そして後期には、官僚的な役割を持つ王に、金色の馬具や装飾付大刀が大王から配布された。本展では、《金製耳飾》や《金銅製沓》、《金象嵌銘大刀》といった国宝の数々とともに、埴輪が作られた古墳時代の流れをたどる。
挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」
会期:2024年10月16日(水)~12月8日(日)
会場:東京国立博物館 平成館 特別展示室
住所:東京都台東区上野公園13-9
開館時間:9:30~17:00(金・土曜日は20:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(11月4日(月・振)は開館、11月5日(火)は本展のみ開館)
観覧料:一般 2,100円(1,900円)、大学生 1,300円(1,100円)、高校生 900円(700円)
※( )内は前売料金(8月20日(火)10:00から10月15日(火)23:59まで販売)
※チケットは、東京国立博物館 正門チケット売場(開館日のみ)、公式チケットサイト(ART PASS)、アソビュー!、ローソンチケットにて販売
※中学生以下、障がい者および介護者1名は無料(入館時に学生証、障がい者手帳などを要提示)
※本券で、会期中の観覧日当日にかぎり、総合文化展も観覧可
■巡回情報
・福岡会場
会期:2025年1月21日(火)〜5月11日(日)
会場:九州国立博物館
住所:福岡県太宰府市石坂4-7-2
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)