特別展「文明の十字路 バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 —ガンダーラから日本へ—」が、東京・日本橋の三井記念美術館にて、2024年9月14日(土)から11月12日(火)まで開催される。京都の龍谷ミュージアムでも開催された巡回展だ。
アフガニスタン中央部、標高2,500mの高地に位置する、バーミヤン遺跡。その渓谷の崖には数多くの石窟が彫られ、その中には東西2体の大仏がそびえ立っていた。さらにその周りの壁面には、「太陽神」と「弥勒」の姿が描かれていたものの、これらの大仏や壁画は2001年に破壊されている。
特別展「文明の十字路 バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 —ガンダーラから日本へ—」は、バーミヤン遺跡の東西2体の大仏を原点とする、太陽神と弥勒の世界を紹介する展覧会。とりわけ、「未来仏」である弥勒信仰の流れに着目し、インド・ガンダーラの彫刻、法隆寺など日本各地に伝わる仏像や仏画の名品を展示する。
バーミヤン遺跡の西大仏に描かれていたのは、壁画の内容から弥勒仏であったと考えられている。いわば未来の救世主ともいえる弥勒は、2〜3世紀頃にガンダーラ地域で信仰され、その後はバーミヤンを含む中央アジア、中国や朝鮮半島、そして日本にも伝わることになった。本展では、《弥勒菩薩交脚像》といったインド・ガンダーラの彫刻に加えて、奈良・法隆寺に伝わる重要文化財《弥勒菩薩坐像》など、日本の弥勒信仰を背景に生まれた仏像や絵画を展示する。
一方、バーミヤン遺跡の東大仏の頭上に描かれていたのは、ゾロアスター教の太陽神・ミスラであるとされる。インド地域でも、ミスラと同じ語源を持つミトラ神が存在したものの、紀元前2世紀頃にギリシアの太陽神・ヘリオスの図像が伝わると、太陽神としてスーリヤが信仰されるようになった。本展では、これらの太陽神や、仏教徒の関係に光をあてる。
特別展「文明の十字路 バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 —ガンダーラから日本へ—」
会期:2024年9月14日(土)〜11月12日(火) 会期中に展示替えあり
会場:三井記念美術館
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館 7F
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:9月24日(火)・30日(月)、10月7日(月)・15日(火)・21日(月)・28日(月)、11月5日(火)
入館料:一般 1,500円(1,300円)円、高校・大学生 1,000円(900円)、中学生以下 無料、70歳以上 1,200円(要証明)
※20名以上の団体は( )内の割引料金
※リピーター割引:会期中、一般券ないし学生券の半券の提示により、2回目以降は( )内の割引料金
※障害者手帳の提示者および介護者1名は無料(ミライロID可)
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)