展覧会「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて」が、東京のアーティゾン美術館にて、2024年11月2日(土)から2025年2月9日(日)まで開催される。
アーティゾン美術館の「ジャム・セッション」展は、現代アーティストとコレクション作品の共演による展覧会だ。2024年は、空間中に漂う見えない力や事象に形を与えるインスタレーションや彫刻を手がけてきた、毛利悠子(もうり ゆうこ)を迎える。
1980年生まれの毛利は、彫刻、音や動きなどを組み合わせることで、磁力や電流、空気や埃、水や温度など、空間の中の潜在的な流れや変化するものごとを、知覚可能なものへと変換する作品を発表してきた。2024年には、現代美術の国際展「ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」日本館展示に選出されるなど、国際的に活躍している。
「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて」展は、日本国内では初となる、毛利の大規模展覧会。毛利の既存作品を、アーティゾン美術館の空間に合わせてアップデートして展示するほか、コレクション作品に着想した新作を発表する。
毛利は活動初期より、「即興演奏」を意味する「インプロヴィゼーション」を創作のキーワードのひとつに据えてきた。そのため、作曲された音楽から逸脱してゆく「エラー」や「フィードバック」といった要素が、毛利の空間作品にも見て取ることができる。本展では、変動や不確定さに目を向ける毛利の視点から選ばれた、クロード・モネ、アンリ・マティス、ジョルジュ・ブラック、マルセル・デュシャンなどの作品もまた、目にすることができる。
本展のタイトルにある「ピュシス」とは、「自然」や「本性」と訳される古代ギリシア語の言葉だ。初期ギリシア哲学においては、「ピュシス」が考察の中心的な対象となっており、そこでは生成、変化、消滅といった運動に本性を見いだす思索がなされている。本展では、「動き」や「音」に着目して知覚を開く毛利の作品を、「ピュシス」に重ねて捉えることができるだろう。
展覧会「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて」
会期:2024年11月2日(土)〜2025年2月9日(日)
会場:アーティゾン美術館 6階展示室
住所:東京都中央区京橋1-7-2
開館時間:10:00〜18:00(金曜日は20:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(11月4日(月・祝)、1月13日(月・祝)は開館)、11月5日(火)、12月28日(土)〜1月3日(金)、1月14日(火)
観覧料:ウェブ予約チケット 1,200円、窓口販売チケット 1,500円、学生 無料(要ウェブ予約)
※日時指定予約制(9月3日(火)よりウェブ予約開始)
※予約枠に空きがあれば、美術館窓口でもチケットを販売
※中学生以下はウェブ予約不要
※この料金で同時開催の展覧会をすべて観覧可
■同時開催展
・展覧会「ひとを描く」(5階展示室)
・「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 マティスのアトリエ」(4階展示室)
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)