東京・新宿の中村屋サロン美術館では、開館10周年記念展「中村屋の中村彝」を、2024年8月28日(水)から11月4日(月)まで開催する。

中村屋サロンと洋画家・中村彝

明治34年(1901年)に創業し、明治42年(1909年)新宿に本店を移した中村屋は、文化人と深いゆかりを持つ場所であった。企画展「中村屋の中村彝」は、この「中村屋サロン」の中心人物のひとりであった洋画家、中村彝(なかむら つね)に光をあてる展覧会だ。

中村屋を創業した相馬愛蔵・黒光夫妻は、芸術や文化に深く関心を寄せたことから、中村屋には多くの芸術家や文人、演劇家が出入りしていた。そのため、「中村屋サロン」という言葉がいつしか生まれることとなった。その中心人物が、彫刻家の荻原守衛(おぎはら もりえ)である。愛蔵・黒光夫妻は、荻原や彼を慕う若き芸術家を支援したのであった。

荻原はしかし、明治43年(1910年)、30歳の若さでこの世を去った。その後、中村屋サロンの中心人物となったのが、中村彝だ。彝は一時期、中村屋の裏にあるアトリエで暮らし、とりわけ相馬夫妻の長女・俊子をモデルに多くの作品を描いている。彝と俊子は恋に落ちたものの、その恋が実ることはなかった。

本展では、初期から晩年にいたる彝の足跡を紹介。俊子をモデルとした《小女》をはじめ、《麦藁帽子の自画像》、《少年像(相馬安雄氏像)》、《目白の冬》といった絵画作品を展示する。

展覧会概要

開館10周年記念展「中村屋の中村彝」
会期：2024年8月28日(水)〜11月4日(月)
［前期 8月28日(水)〜9月29日(日) / 後期 10月2日(水)～11月4日(月)］
会場：中村屋サロン美術館
住所：東京都新宿区新宿3-26-13 新宿中村屋ビル 3F
開館時間：10:30～18:00(入館は17:40まで)
※10月7日(月)・28日(月)は13:00～開館
休館日：火曜日(10月29日(火)は開館)、9月30日(月)
入館料：500円
※高校生以下、障がい者および同伴者1名は証明書の提示により無料
※リピート割引：会期中に本展の半券の提示により200円割引

【問い合わせ先】
中村屋サロン美術館
TEL：03-5362-7508