展覧会「レクイエム 猫と肖像と一人の画家」が、兵庫・神戸の横尾忠則現代美術館にて、2024年9月14日(土)から12月15日(日)まで開催される。

この世を去った人々へと想いを馳せる

現代美術家の横尾忠則は、「死」を重要なテーマとして位置付け、死にまつわるさまざまなイメージを作品に投影してきた。展覧会「レクイエム 猫と肖像と一人の画家」では、横尾がこれまでに見送ってきた親しい人々や、2014年にこの世を去った愛猫タマにまつわる作品を紹介する。

家族や友人、交流を持った作家の肖像

本展は、「肖像」の部屋と「猫」の部屋から構成。「肖像」の部屋では、家族や友人に加えて、三宅一生、三島由紀夫、寺山修司、篠山紀信、磯崎新など、横尾の創作や生き方に影響を与えた人々の肖像画や関連資料を展示する。

たとえば、2003年の《友の不在を思う》。横尾は2000年、故郷である兵庫・西脇での個展の出品作を現地で制作するため、同地に約2週間滞在した。この時、西脇の線路の風景に、他界した同級生の姿を描いた作品を手がけている。《友の不在を思う》は、その後にこの世を去った友人を描き加えた作品である。

また、横尾は、文学や演劇、音楽など、さまざまな領域の作家と交流した。たとえば、ファッションデザイナーの三宅一生は、1976年秋冬コレクションにおいて、初めて横尾の作品をプリントした衣服を発表。1977年からは、ショーの招待状を横尾が手がけている。会場では、横尾による招待状の原画などを目にすることができる。

愛猫タマを描いた作品

一方、「猫」の部屋では、横尾の愛猫タマに着目。1999年、2匹の愛猫を相次いで亡くした横尾のもと、2002年に野良猫が現れ、まもなく横尾家に迎えられることになった。この猫が、タマと呼ばれることになる。会場では、愛猫タマを偲んで描いた「タマ、帰っておいで」シリーズに加えて、在りし日のタマの写真やスケッチを公開する。

展覧会概要

展覧会「レクイエム 猫と肖像と一人の画家」
会期：2024年9月14日(土)〜12月15日(日)
会場：横尾忠則現代美術館
住所：兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30
開館時間：10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日：月曜日(9月16日(月・祝)・23日(月・振)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・振)は開館)、9月17日(火)・24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
観覧料：一般 700円(550円)、大学生 550円(400円)、70歳以上 350円(250円)、高校生以下 無料
※( )内は20名以上の団体割引料金
※障がい者は各観覧料金(ただし、70歳以上は一般料金)の75%割引、介護者1名は無料

【問い合わせ先】
横尾忠則現代美術館
TEL：078-855-5607(総合案内)