2014年9月5日(金)に、コンセプトショップ「コエンション(co&tion)」がラフォーレ原宿B 0.5階にオープンする。原画と版画、そしてポスターの関係性をキーワードに、創造のフレームを重ね合わせ、心が通うものづくりを目指す新感覚ショップだ。
自社のシンプルなアイテムをキャンバスに、様々なフィールドで活躍するアーティストが手掛けた1点物のアイテムと、その1点物を元に、そのアーティスト以外の人の手仕事により、リプロダクトされた数量限定の希少なアイテムを発売する。
また2014年9月5日(金)から9月12日(金)の期間には、コエンションのオープンを記念して、アメリカンポップアートの巨匠アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)の作品をキャンバスに、小原流の生け花のインスタレーションを展示。既に伝説となっている作品がどのように生まれ変わるのか、他では成しえないコラボレーションを体感できる。
今回はそんなユニークなショップをプロデュースした葛西龍也(フェリシモ)にビジネスモデルのキーとなる「原画」「版画」「ポスター」の関係性や、ウォーホルの作品などについて話を伺った。
通販カタログを展開するフェリシモがコエンションの運営元となるのですが、私たちは、もともと店舗で販売する会社ではありません。ですので、“お店とはこういうもの”という常識にとらわれることないショップづくりを考えました。
空間としてインスパイアされたのは美術館。作品をどう展示して、どういう順序で飾って、どう見せるのか?という展示方法を参考にして、絵が飾られるようなイメージにしました。といっても遠くから高いものを眺めるのではなく、作品には触れることができる、身近な感じ。額を見るにも1段ステージを用意してより近くから作品と触れ合うことができるようにしました。
普通のお店は、ハンガーラックがあって服が並んでいたり、トルソーでコーディネートしたりします。今回のショップでは「額」の中に服の作品を入れて飾る形式で展示・販売します。
はい。秘蔵のアンディ・ウォーホルの版画作品が会社に64枚あったので、それを使わせてもらうことにしました。
アンディ・ウォーホルはマスプロダクション時代のアンチテーゼとして作品を作ったアーティスト。彼の作品はマリリンモンロー、キャンベルスープなど、1点ものを作って、版画にして、それを広めていく、というコアなコンセプトがあった活動家です。この手法はコエンションのコンセプトに通ずるところがあります。
今のマーケットにある商品は、1万枚生産されるものか、1枚しか生産できない1点もののどちらかに偏っているような気がして、バランスを再度考え直そうと思いました。そこから行き着いたのは、「原画」と「版画」と「ポスター」の関係です。それをコエンションに落とし込みたかった。
ウォーホルに限りませんが、例えば、原画はアーティストが描く唯一のもの。それに対して版を作り、作家がシリアルナンバーを入れて数量限定で版画を作る。ある程度作ったところで、それ以上作れないように版は壊す。
原画は1つしかないアート、版画はシリアルナンバーの入ったアート、ポスターは量産されるアートなんです。これらのアートの生産数は、それぞれ、1:10:100みたいな関係性を持っています。ウォーホルの作品は版画ですから、「10」にあたるわけです。
ショップに飾る際は、そのコンセプトに沿うよう、彼の版画にも手を加えるつもりです。
手を加えるというか、額を考え直したり、空間演出と組み合わせることで市場価格よりも価値が上がるようにしたいですね。
いけばな小原流の家元とのコラボレーションを行います。生け花という植物を使って空間を作るアートと、ウォーホルの作品というアートを掛け合わせると、どのような空間が生まれるか?がテーマです。現在、企画を煮詰めている段階ですので、ぜひご期待ください。ただ、今回は言ってみれば第1弾。作品は64枚あるのだから、今後は色々なアーティストとコラボレーションするなど、作品に合った企画を考えていきたいですね。