先ほどの「原画・版画・ポスター」の関係性に繋がってきますが、基本的には量産することを前提に作った商品をキャンバスに、アーティストが原画=1点ものの作品としてアレンジ。例えば刺繍作家の二宮佐和子さん。彼女が商品に緻密に刺繍をほどこしていく。これはまさに1点ものの服になります。もちろん販売します。
次に、先ほどの原画となる1点ものの作品につき、10点アイテムを作ります。これがいわゆる版画のような位置づけ。版画の服を作るために淡路島を中心とする関西地区で、手先が器用な方々の協力を得ました。メイド・イン・ジャパンの“版画”服のアイテムを作るわけです。全てを完璧にできるか分からないので、ちょっと変わるかもしれない。そこで先ほどの1点ものの“原画”服と、10点ものの“版画"服の差は生まれます。
さらにそれを工場で量産する仕組みを考えて、カタログで販売すると、最後に大量生産になるんです。例えば刺繍の柄をプリントにするなど、変更を加えればできると思います。先の話で当てはめるなら”ポスター”ですね。
これらアイテムの販売方法と、ウォーホルの作品のあり方がリンクしているんです。
1点もので3~4万円と考えていますが、最終的にはアーティストの方に値段を決めてもらえればと考えています。10点ものはその70%くらいの価格。価格にももちろん差が生まれます。
会社の倉庫で、使用用途がなく眠っていたニューヨークのアーティストが制作した家具や、ヴィクトリア時代をはじめとするヨーロッパのアンティーク家具がありました。それらを持ち出して、インテリアに使います。
貴重な家具ですが年代の異なるものが揃っているので、統一感を持たせるためにも、そのまま使うのではなく、それらの家具に共通性のあるペイントをするつもりです。
「額」もコンセプトのひとつなので、盆休みにスタッフ総出で既存の額を加工して切ったり塗ったりして新しい額を作りました。そういう手仕事感も重要。アイテムはもちろん、内装を含め常に何か手を加えて提案していきたいと思います。
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