企画展「西洋絵画、どこから見るか?—ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館」が、東京・上野の国立西洋美術館にて、2025年3月11日(火)から6月8日(日)まで開催される。その後、京都市京セラ美術館に巡回する。
企画展「西洋絵画、どこから見るか?—ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館」は、日本初公開となるサンディエゴ美術館のコレクションと、国立西洋美術館のコレクションを通して、ルネサンスからバロック、ロココ、そして近代まで、600年にわたる西洋美術の歴史を紹介する展覧会だ。
サンディエゴ美術館は、アメリカ・カリフォルニア州にある美術館だ。ヨーロッパの古典絵画を中心に、南北アメリカやアジアなど、世界各国の美術作品約32,000点を収蔵しており、なかでも初期イタリア絵画やスペイン美術に優品が多いことで知られている。本展では、同館と国立西洋美術館が所蔵する、あわせて88点の作品を通して、西洋美術の展開をたどることができる機会となる。
本展では、関連する絵画同士を、ペアや小グループごとに展示・比較することで、それぞれの作品を掘り下げて紹介。たとえば、17世紀スペインを代表する画家のひとり、フランシスコ・デ・スルバランの作品だ。スルバランは、多くのカトリック聖人像を描いたことから、「修道僧の画家」と呼ばれている。会場では、《聖ドミニクス》や《聖母子と聖ヨハネ》といった作品5点を通して、静謐な祈りを描いた初期から、穏やかで甘美な理想主義へと転じる晩年にいたるまでの画業を概観する。
17世紀初頭のスペインでは、「ボデゴン」と呼ばれる独自の静物画が花開いた。その始祖とされる画家が、フアン・サンチェス・コターンである。本展では、スペインの静物画の最高傑作とされるコターンの《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》を、コターンの次世代を代表する静物画家、フアン・バン・デル・アメンの《果物籠と猟鳥のある静物》 や、スルバランの《神の仔羊》といった静物画とともに展示する。
また、ヴェネツィアにおける肖像画にも着目。なかでもジョルジョーネは、ヴェネツィアにおける盛期ルネサンス絵画の創始者とされる画家であるものの、現存作は30点ほどと少なく、日本国内で展示される機会は稀である。会場では、ルネサンス肖像画の傑作のひとつとされるジョルジョーネ《男性の肖像》を、16世紀後半のヴェネツィア絵画を代表するティントレットの肖像画とともに紹介する。
さらに、イタリアを題材とした風景画も。18世紀のヨーロッパでは、「グランド・ツアー」と呼ばれるイタリア旅行が流行し、都市を描いた景観画が愛好された。こうしたなか、イタリア人画家のベルナルド・ベロットは、ヴェネツィアの名所を明るい陽光のもとに捉える一方、フランス人画家ユベール・ロベールは、ローマの著名なモニュメントを自在に組み合わせた空想的な風景を描いた。本展では、ベロットの《ヴェネツィア、サン・マルコ湾から望む岸壁》や、ロベールの《マルクス・アウレリウス騎馬像、トラヤヌス記念柱、神殿の見える空想のローマ景観》といった作品を目にすることができる。
企画展「西洋絵画、どこから見るか?—ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館」
会期:2025年3月11日(火)~6月8日(日)
会場:国立西洋美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園7-7
開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は20:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(3月24日(月)、5月5日(月・祝)・6日(火・振)は開館)、5月7日(水)
観覧料:一般 2,300円(2,100円)、大学生 1,400円(1,300円)、高校生 1,000円(900円)、中学生以下 無料
※( )内は前売料金(2025年1月より販売予定)
※心身障害者および付添者1名は無料
※大学生、高校生、無料観覧対象者は、入館の際に学生証または年齢の確認できるもの、障害者手帳を要提示
※観覧当日にかぎり、本展の観覧券で常設展も観覧可
■巡回情報
・京都会場
会期:2025年6月25日(水)〜10月13日(月・祝)
会場:京都市京セラ美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
※出品作品は東京会場と異なる
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