アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)の2025年春夏コレクションが、フランス・パリのレピュブリック広場にある建物内で発表された。
ラテン語の“calibra”に由来し、測定する・調整する・評価するという意味を持つ“CALIBRATE”と題した今シーズン。アンドレアス・クロンターラーは、これまでユニセックスでも着用できるようなアイテムを提示するコレクションを手掛けてきたが、今季はあえてウィメンズのみにフォーカス。女性のための服を、ヴィヴィアン・ウエストウッドの精神やアーカイブに敬意を表しつつ、クラシカルでフェミニンに仕立てた。
コレクション全体に漂うフェミニンなムードは、デコルテラインが目立つよう襟元を調整したウェアによるものだろう。“知的なセクシーさ”を表したというデコルテラインは、スクエアネックのドレス、ジャケットなどのざっくりと開いたVネックやスクエアネックから大胆に覗く。
ニットやクレープ、チュールなど、ふわりと柔らかな素材による、空気のように軽やかな質感も印象的。前面にラメを散りばめたシアーな素材、あるいはややマットな質感のクレープ素材を使用したドレスがその好例だ。多様な方向に延びるドレープが、軽やかさだけでなくエレガントな雰囲気ももたらしている。
センシュアルでフェミニンなルックの中には、ハンサムな表情をみせるテーラードも織り交ぜている。極端に大きなラペルを配したブレザーは、いずれも肩幅を広く、着丈も長く設定。ラペルは大きく曲線的に仕立て、ネックラインを深くとることでセンシュアルさを与えている。
カラーパレットは、ベージュやライトブルー、ブラック、グレーなど落ち着いた色味で構成。中には、トップスもボトムスもベージュトーンのみで仕上げたシンプルなルックも見られるなど、控えめな色に抑えることで、素材やシルエットを引き立てた。また、時折ヴィヴィッドなピンクやレッドに彩られたスカートやドレスを挟むことで、アクセントをプラスした。