オリミ(ORIMI)の2025年春夏コレクションが、2024年10月10日(木)、青山グランドホテル(THE AOYAMA GRAND HOTEL)にて発表された。
2020年末に誕生したオリミは、18歳でヴィンテージバイヤーとしてキャリアをスタートさせ、セレクトショップ「ザ エレファント(THE ELEPHANT)」を手掛ける折見健太がデザイナーを務める新鋭ブランドだ。ブランドのコンセプトは「Superfine garment for all the outsiders」。“異端者”に向けたラグジュアリーなウェアを提案している。
初のランウェイショーとなる今季は「武装解除」を意味する“DISARM”がテーマ。折見はクリエーションにあたって、自身の表現欲をむき出しにせず、あえて押さえ込むことを意識したという。カラーパレットはブラックを主軸に、グレーやホワイトといった無機質なモノトーンを多く採用していた。
際立つのは、ありふれた衣服の形を覆すアンバランスなシルエット。着用方法を変えて何度も登場したトラッカージャケットは、本コレクションを象徴する1着であると言えるだろう。ファーストルックでは、ジャケットの上下を逆さまにしたスタイルで。本来腰元に位置するはずのベルトが肩周りを覆い、オフショルダーのような抜け感を演出している。
終盤では、逆さまのままスカートとして着用したコーディネートや、ジャケット本来の着方に立ち返ったルックも見られた。スリーブを低めに設定しているため、通常通りにジャケットを羽織れば肩の部分の生地が盛り上がり、パワーショルダー風のシルエットになる。
また、ジャンボサイズのジーンズを折りたたんだような、ラップ式のパンツも登場。たっぷりの量感が相待って、歪みは美しいドレープをつくりだしている。
洋服の機能性を排除した、ユニークなディテールも魅力。まるで風になびいているかのようなワイヤー入りの襟付きジャケットや、“手”の刺繍でネクタイを掴んだシャツなどがその好例だ。静的でシンプルなウェアに、動きを意識したデザインを加えることで、視覚的なインパクトと遊び心を共存させている。
このほか、セレクトショップ「ザ エレファント」にちなんだゾウ型ショルダーバッグや、ブランドとして初めて制作したオリジナルシューズも登場し、初ランウェイを彩った。