また、ハウルの“城”をレザーで象った巨大なオブジェにも注目だ。カプセルコレクションにて展開された「ハウルの動く城 バッグ」をダイナミックに拡大したもので、ロエベを象徴するドーナツチェーンや「ハンモック」バッグのパーツ、「パズル」バッグなど、アイコニックな要素を随所に見て取ることができる。
これまで3度にわたってコラボレートしてきた陶芸ユニット「スナ・フジタ」の織りなす世界観を楽しめるスペースも登場。壁面にいくつもの穴が施されており、のぞき込むと愛らしい動物たちをモチーフにしたロエベのレザーグッズやスナ・フジタの陶芸作品を目にすることができる。この他、2021年にコラボレーションしたチャールズ・ヴォイジー、2021年秋冬メンズコレクション・ウィメンズコレクションに着想をもたらしたジョー・ブレイナード、2020年にカプセルコレクションを発表したケン・プライスと、これまでにロエベがコラボレートしたアーティストやデザイナーの世界観をそれぞれ表現した空間も登場する。
ジョナサン・アンダーソンがクリエイティブ ディレクターとして初めて手掛けた2015年春夏コレクションから、現在に至るまでのメンズ&ウィメンズコレクションから54体のルックを集めた空間も圧巻。彫刻的なフォルムが目を引くピースや、プレイフルなトロンプルイユデザイン、繊細な装飾を施したアートピースのようなルックなどがずらりと並ぶ。
ミラーの破片を並べたロエベ 2016年春夏ウィメンズコレクションのドレスや、タブレット端末のスクリーンが身頃を埋め尽くすロエベ 2023年春夏メンズコレクションのスクリーン コート、柔らかなフローラルパターンのドレスをクリノリンで立体的に仕上げたロエベ 2025年春夏ウィメンズコレクションのドレスなど、多彩なクリエイティビティを感じられるコレクションピースが勢揃い。眺めているだけで心躍るような空間となっている。
ロエベの歴史を辿ることのできる空間には、ロエベの創業当時に職人たちが革小物を作る際に使用していた工具や、1920年代に登場した刺繍のバッグ、1950年代にハリウッドスターの衣装を手がけるようになったロエベのグランビア店に訪れた俳優たちのサインが連なる来客名簿など、貴重な資料が目白押し。建築模型や、アーカイブ写真・広告、時代の精神を象徴するパブロ・ピカソやペドロ・アルモドバルの作品もあわせて展示する。さらに、1965年に披露されたロエベ初のレディ トゥ ウェアや、1972年に発表されたロエベ初のフレグランスも目にすることができる。
また、2013年にクリエイティブ ディレクターに就任し、2025年3月に退任を発表したジョナサン・アンダーソンの象徴的なアイテムとして、「パズル」バッグや「パウラズイビザ」のカプセルコレクションにて展開された独特なフォルムのサングラスも展示。そのほか、アンセア・ハミルトンのハンドペイントが施された、カーフスキンの《Giant Pumpkin No. 6》も紹介している。
加えて、ビヨンセが2023年のルネッサンス・ワールド・ツアーで着用したロエベのカスタムウェアや、リアーナの衣装、2024年メットガラを彩った衣装も登場。なお、ビヨンセの衣装は、ロエベ2022秋冬ウィメンズコレクションがデザインのインスピレーション源となっている。
東京での開催を祝してロエベと日本の作家とのコラボレーションや文化プロジェクトを紹介する特別展示も登場。職人技を感じられるアートピースを集めた会場内にて、「ロエベ財団 クラフトプライズ」のファイナリストである四代田辺竹雲斎と渡部萌、2019年の大賞受賞者である石塚源太、そしてミラノサローネ国際家具見本市の展示でコラボレーションをおこなったARKO、松本破風、米澤二郎といった作家たちの作品を展示する。胡桃の木の樹皮を使ったオブジェや、漆を用いた有機的な造形のオブジェなどを目にすることができる。
加えて、京都で400年以上にわたり茶の湯釜を作り続けてきた、大西家のドキュメンタリー映像を上映。16代 大西清右衛門が手掛けた「四方覆垂釜」と合わせて、鑑賞することができる。