ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)が2011年春夏レディースコレクションをパリで発表した。
女流画家のジョージア・オキーフとその作品『Black Iris Ⅲ』がインスピレーション源というコレクションは、西洋と東洋、強さと儚さ、繊細さと無骨さといった相反する要素がひとつに表現される。
コレクションは「テーラード」、「ミリタリー」、「ワーク」という3つのパートからなる。 メンズライクなテーラードのジャケットやトレンチは、オキーフの花を彷彿とさせるプリントを用いて官能的でグラマラスな印象。ミリタリーシリーズは素材にシルクを用い、無骨になりがちなモチーフも柔らかく繊細にまとまっている。洗いざらしのダンガリーシャツは、これも着物をイメージさせる背中が大きく開いたドロップネックが特徴的で、着古したかのようなほつれ加工を施したスウェットのアイテムとともに、晩年のオキーフ自身が好んだワークスタイルを表現している。
カラーパレットはブラックやホワイト、グレー、カーキを中心とし、それにレッドやブルーが加わる。同色でも素材やプリントの変化、組み合わせで多様な表情を生んでいる。
メンズライクなアイテムやモチーフを多用しながら、あくまでフェミニンかつウェアラブルに仕上げる、バランス感覚抜群の秀逸なコレクションだ。