ロエベ(LOEWE)が、2015年春夏ウィメンズコレクションで発表した「パズル バッグ」。最大の魅力は、立体的なバッグをフラットに折りたためることだ。この革新的な構造は、60以上にも及ぶパーツを幾何学的に組み合わせることから生まれる。まるでパズルを組み立てるような繊細な制作工程は、創業以来進化しつづけるロエベのクラフトマンシップだからこそなせる技だ。

日本橋三越本店にて開催中のロエベ展のため、特別に来日した職人による「パズル バッグ」の製作デモンストレーションが公開されている。開催期間は、2015年2月18日(水)から23日(月)まで。今回はその模様をレポートする。

 
左)レザーカッティング。素早く、そして正確に各パーツを切り出して行く。
右)パーツのエッジ部分には、デザイン的なアクセントに加え、耐久性を底上げするためのペイントを施す。

まずは、レザーカッティング。ぜいたくな1枚皮に型紙をあて、様々な形のレザーパーツを作る。2012年、マドリードに設立されたレザーカッティングセンターにて、最新機器を使用し、職人たちが正確にカッティングを行う。

次に、ボディカラーとトーンをあわせるため、パーツのエッジ部分にはペイントを施す。細部にまでこだわることで、洗練されたデザインと優れた耐久性が生まれる。

 
左)バッグのベースとなる1枚の「面」を作成。 右)使い込まれた道具類は、まるで職人の熟練度を裏付けしているよう。

つづいて、先ほどのレザーパーツをパズルのように組み合わせ、1枚の面を作る。パーツの幅は2ミリ。この幅を均一に保つことが、自由自在に変形する複雑な構造を生み出すのだ。

面が出来上がったら、パーツのつなぎ目にレザーテープを付け、縫い合わせる。このひと手間を加えることで、自由に折りたたむことのできるしなやかなバッグが仕上がるのだ。

 
左) 隙間を覆うように、慎重にレザーテープを接着。
右) 均一に揃えられた2ミリの幅が、ペタンと潰れる独特のデザインと構造を生み出す。

構築的なフォルムを造り出す最大のポイントは、成形にある。U字形の型枠(プロップ)のシルエットに合わせ面を型作る。接着後しっかりと固定させ、その後ハンドルを縫い合わせる。

ハンドル部分。バックルを通し、一針一針丁寧に縫い合わせる。

このハンドルも、ほぼ手作業で作製。まずは、レザーパーツにバックルを通し、縫い合わせるところからスタート。ハンドルの角度を固定させる、斜めにツイストしたバックルは、7wayで使用できる「パズル バッグ」のために計算された、他にはないデザインだ。次に中央に芯を接着し、パーツの端と端を縫い合わせると、ハンドルが完成する。

左)成型時に使用した型枠は外せば完成間近。

立体的な形が出来上がったら、型枠(プロップ)をバッグから外す。まずは側面、続いて残りの部分と、分解しながら抜いていく。完全に抜き取ったあと、面のつなぎ目を縫製。職人による一つ一つの細やかな工程により「パズル バッグ」が完成となる。

歴史ある素材と伝統的な職人技、そこにジョナサン・アンダーソンの新しいデザインを融合させ、誕生した「パズル バッグ」。細かな制作工程を経たその姿には、進化しつづけるロエベの勇姿が表れているようだ。

ロエベ展の会場には、この「パズル バッグ」が並ぶ。レディース、メンズともに展開され、ブランドのシグネチャーであるゴールドのスエード“アンテ・オロ”に加え、カーフレザーも揃う。サイズは、大、小の2パターン。バッグの形のみならず、ボディバッグやハンドバッグ、クラッチバッグと使用方法も変えられるので、ライフスタイルやシーンに応じて、さまざまなアレンジが楽しめる。

さらに、やわらかく、なめらかなナパをたっぷりと使用した、丸みのある愛らしいデザインの「バウンス バッグ」が先行販売。こちらも大、小2サイズで展開され、ホワイト、ブラック、ネイビーなどのカラーが揃う。こちらもあわせて、チェックしてみて欲しい。

【イベント詳細】
ロエベ展
開催期間：2015年2月18日(水)～23日(月)
時間：10:00～19:00
※期間中無休
会場：日本橋三越本店 本館7階 催物会場
入場料：無料
※デモンストレーションは、期間中全日で開催予定。実演時間は、日によって異なる。

【アイテム詳細】
・パズル バッグ ラージ 297,000円＋税
サイズ：H19.5xW36.5xD19
・バズル バッグ スモール 261,000円＋税
サイズ：H19.5xW29xD14
・ラージ バウンス バッグ 全3種 各360,000円＋税
サイズ：H26xW32xD32
・バウンス バッグ 全5種 各227,000円＋税
サイズ：H23xW26xD20