マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)が2016年春夏メンズコレクションを発表した。
これまでメンズにおいて、音楽やカルチャーが主題のコレクションを発表してきたマーク。今季はそうした流れの中で、ある一人のミュージシャンの生活を切り取ったようなコレクションになっている。ある時にはステージに立つ90年代のミュージシャンのようでもあり、ある時にはリラクシングなスタイルを身にまといバカンスへ。またある時には、あえてその両方を合わせて、ちぐはぐなミックス感を楽しむ……こうした自由な感性は、今季らしさの核となる要素だと言ってもいいかもしれない。
その中でも、ロックなムードのアイテムは多い。定番のセットアップは、2ボタンジャケットに9分丈パンツのカジュアルなものに加えて、1ボタンのタキシードが登場。タキシードの足元は、スパンコールが敷き詰められた華やかなドレスシューズだ。さらには、ベルベットのブルゾンやパンツ、サイドラインを効かせたスラックス、透け感のあるアーガイルニットも。タイやシャツなどレオパード柄のアイテムも、エッジィな魅力を加える効果的なアクセントとなっている。
その一方で花柄が落とし込まれたアイテムは、リラクシングなムードを醸し出すのに大きな役割を果たした。ゆったりとした半袖シャツやTシャツ、膝上丈のショーツ、ビーチサンダル。しかしシルクなど上質な素材を使うことで、カジュアルに触れ過ぎない、リュクスなイメージを保っている。
カラーも、ブラックやカーキなどベーシックなものに加えて、くすんだローズやミントグリーン、オフホワイトが登場。春夏らしい、軽やかなイメージを形作った。