ビューティフル ピープル(beautiful people)の2011‐2012年秋冬コレクションは、「rabitt fashion」をコンセプトに掲げ、柔らかくしなやかなトラッドウェアを提案。ウサギをイメージして、思わず抱きしめたくなるようなふわふわした質感、雪の中のウサギのようなピュアな白、そんなイメージと相反する、動物の中で一番多く繁殖活動を行うというプレイボーイな一面からのイメージをひとさじ加えた、ちょっぴり「チャラい」トラッドファッション。
日本のトラッドのはしりであるブランド「VAN」と科学実験のように刺激的なコラボレーションが実現。VANのエースアイテムであるスタジャンやレジメンタルジャケットをキッズサイズに置き換え、60年代当時憧れの的だったVANのロゴを、LEDで光を放つワッペンに置き換える。実体験としてはVANを知らない年代でさえ憧れる、アヴァンギャルドなVANスタイルが出来上がった。
さあ、まずは彼氏のジャケットを借りてみない?ボーイズサイズのアイテムを女の子に着せたような、ルーズなシルエットに弱くない男子はいないから。彼氏がくしゃくしゃに丸めて忘れているようなプルオーバーシャツだって、beautiful peopleにかかれば大変身。ルーズなシルエットが、逆に女の子の華奢な体を際立たせるワンピースに。
トラッドと言ったって、そこはbeautiful people。すかしてブラックコーヒーを飲んだり、メガネをかけてインテリぶったりする姿よりも、外に出てブランコをこぐ方がずっと魅力的に見える。そんな不思議なトラップが所々に仕掛けてある。差し色の燃えるマスタードイエローやオレンジは、眩しい太陽の下で走り回る少年少女のような、生命感溢れる紅葉を思わせる。グランマのクローゼットから内緒で引っ張り出してきたような、懐かしく趣のあるプリントドレスや、トラッドという「良い子」の代名詞の仮面を借りて、クラスメイトの憧れをあっというまに掴むだろう。何時間だって嬉しそうに自分の「ウサギファッション」について話す彼らに皆は夢中だ。決してはったりではない、火傷してしまうような情熱を彼らは心で燃やしている。紅葉のようなオレンジ色と共に。