ビューティフルピープル(beautiful people)の2025年秋コレクションが発表された。
今季のテーマは、「A long time ago, a long time ahead.」。未来の洋服を想像し、新しい価値観を模索するというブランドの姿勢を表現。固定概念にとらわれない自由な発想から生まれるパターンメイキングとデザイン手法を軸に、服を着るという根源的な概念を再定義する。20以上の“HOUSE CODE”をもとに、現代的なリアルクローズへと落とし込んだ。
今季のキーワードのひとつは“中庸”。オールジェンダーの視点を取り入れ、男性的・女性的な要素を掛け合わせたバランスの取れたデザインを基調とする。曖昧なカラーリングやレイヤード構造を駆使し、奥行きのある表情を生み出している。
(ユニセックスでレイヤードが際立つアイテム説明)
ギミックによってムードを変えられるパンツ、上下どちらでも着用できるダブルエンドのジャケット、頭を通す位置でシルエットが変わるダブルネックのトップスなど、独自の構造を採用。固定概念にとらわれず、着る人の自由な発想を引き出す、新たなバランスを追求している。
レイヤーをめくることでデザインやシルエットが大きく変わる“フリップ”を取り入れたアイテムも見逃せない。モヘアニットは、2枚重ねた生地を前後・裏表で切り替える4WAY仕様。バイカラーから単色へと変化し、ローゲージ特有の透け感を活かした着こなしも可能だ。
上下をひっくり返すことでファスナージャケットへと変化するショートトレンチ、裾をめくることでロールアップ風のデザインを楽しめるジーンズなどが揃う。
カラーパレットは、白でも黒でもない曖昧なグレートーンが基調。灰みを帯びたパステルやグレースケール、ワークウェアやミリタリーウェアの伝統色を掛け合わせ、深みのある表情を生み出す。多層的な色や素材の重なり、異なる染料や技法を組み合わせることで、単一には収まらない曖昧な魅力を構築。華美すぎないトーナル配色が、静かに洗練されたムードを漂わせる。