ミュラー オブ ヨシオクボ(muller of yoshiokubo)が2016年春夏コレクションを発表した。
今季は「南の真珠」とも呼ばれる町、モロッコ・マラケシュに想いを寄せている。乾いた砂漠、赤土の建物、食材・スパイス・絨毯などがごった返すスーク(商店街・市場)など、美しい要素がつまったこの街の雰囲気をコレクションを通して伝えていく。
強い日差しが照りつけ、乾いた空気が流れ込む。そんな情景はファブリックに落とし込んだ。コットンワンピースは、触るととても柔らかいのだが、一見麻のように乾燥した感じを受ける。それから、ワイドパンツやポケット付きのベストなどは、サンドカラーに染め上げて、ドライなイメージを構築。
そこに溶け込ませたのは、透け感のある素材にパッチワークを施したパネルスカートや、光沢感のあるアラジンパンツ、強い色彩の花柄ドレスなど。異なるテクスチャーやカラーの対峙は、魅力的なものを雑多に並べたマラケシュの空気感を巧みに表現している。
シルエットは、ロングでボリュームのあるものが中心。ワイドパンツにスリット入りのドレスやガウンを重ねたり、丈の長いチュニックに半端丈パンツを合わせたりと、重量感のあるアイテムの掛け合わせを繰り返している。スークの中に並んだレザーアイテムから着想を得たスエードベストは、柔らかなフローラルシフォンTシャツとクロップドパンツとマッチさせている。