デザイナー西崎暢による、日本ブランド「ウジョー(Ujoh)」は、ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)による若手デザイナーサポートプログラムの支援を受け、イタリア・ミラノで、2016-17年秋冬ウィメンズコレクションを発表。ミラノ・ファッション・ウィーク4日目、2016年2月27日(土)のことである。
最新コレクションは、変則的でスピード感がある。披露の場を東京から、はるか遠いイタリアへと移したとは思えないほどのエネルギーと勢いが漂っている。
元々パタンナーだったという西崎は、テーラードにスポーツ性を持たせるのが十八番だ。今季も、2つの要素をはっきりと維持させながら、よりハイブリッドでモダンなウェアを提案する。
キーアイテムといえるのは、ドッキングコート。ライダースは、スーツ地に変え、さらに袖部分にコットンボアをあしらった。クラシックなジャケットは、ナイロンとマッチ。ナイロンベストには、ファーフードを掛け合わせて、アイコニックに仕上げた。例を挙げればきりがないほどに、彼のイマジネーションから創り出されるものは、どれも独創的で個性が光る。
また、見る角度によって、装いの印象は大きく変化。というのも、共通してサイドに斜めにカッティングが施されているため、内側から異なるものが顔をのぞかせる。ときには、ライン入りの太いリボンが見え、また快活なムードのときには、ランジェリートップスが映し出される。
スニーカーを筆頭に、ドローコード、スウェット地など、スポーツから派生する快活な要素はあふれている。一方で、ケミカルレースといったデリケートな素材も共存。服地の上を流れるように走るレースは、緑、青、白とマルチカラーで揃え、美しいストライプを築いている。さらに花模様のレースも加わり、華々しく優美な一面も垣間見せるのだ。
最後に伝えておきたいのは、西崎の人柄。ショーのラスト、スクリーンに映し出されたのは「ありがとう、ジョルジオ アルマーニ」というメッセージだった。野心的でありながらも、心優しい。世界的な活躍を心から応援したい。