アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)は、最新コレクションである2016-17年秋冬ウィメンズコレクションをイタリア・ミラノで発表した。
ミラノ・ファッション・ウィーク3日目の2016年2月26日(金)。その日は、雨雲が街を包み込み、最終回であったアツシ ナカシマのショー前には、大粒の雨が降り注いでいた。しかし、観客席には日本メディアだけでなく、世界各国から取材者が押し寄せ、彼へ向けられた関心の高さが感じられた。
日本。このワードを耳にしたとき、異国の人々は、まず何を想像するのだろうか。視覚的に自国を伝えるために、デザイナーの中島篤は、球体を一つのキーワードに挙げたのではないかと考える。なぜなら、コレクションには、印象的にまた刺激的に、丸が落とし込まれるいるから。
まず、足元を飾るラウンド型のハイヒール。レッドやイエローなど、ビビットな色彩で描き出されたシューズは、3Dプリンターで作られたもの。流れるような美しいラインで、記憶にはっきりと残るビジュアルでそこに存在する。同じフォルムはブレスレットにも、また、ネオプレンのウェアにもデジタルプリントで落とし込まれ、今季を代表するアイコニックなポジションへ。
一方で、異素材ミックスも一つのキーワードである。アニメキャラクターのようなブラトップには、光沢あるブラックに白のボアファーをミックス。また、テーラードコートを覆う腕周り、つや消ししたミドル丈コートのラペルにも、異なる個性を掛け合わせている。
「歴史によって生み出された伝統的な要素を、現代風にアレンジする」コレクションノートには綴られた言葉を引用すると、今季はそういったメッセージが込められていたようだ。ミラノで来季もコレクションを発表すると話した中島。今後どういった手法で、モダンなアプローチをしてくのか。これからの活躍にますます注目が集まる。