sacai(サカイ)の2016-17年秋冬ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク7日目の2016年3月7日(月)に発表された。
今シーズン、デザイナーの阿部千登勢は“Love”の観念を探求することから、クリエーションをスタートさせた。楽観主義とポジティヴさを「love will save the day」というワードで表し、コレクション全体に散りばめている。
キーファブリックの一つである、オーガンジー。薄く、素肌を透かせてしまうほど繊細。そのキャラクターの概念を取っ払い、アウターとして使用する。型破りなアイデアで仕立てられた、ナポレオンジャケットやショートブルゾンは、ファーを内包したり、ムートンのグローブでアームを覆ったりして、予期せぬ意外性に迫っている。
また創作の根底にある「love will save the day」は、エンブレムにのせて表現。ミリタリーを香らせる、このワッペンを貼り付けて、ボリュームを出している。部分止めされているため、ひらひらと揺れる姿は、花のように可憐だ。同様にこのメッセージは、透け素材と対峙させたベルベットのパジャマスーツなど、いたる所に存在している。
また、透け感のある布地はドレスにも姿を変える。ボンテージストラップを配したり、不規則なプリーツやアシンメトリーなカッティングを施したり…と、あらゆる手法で個性をまとったウェアは、ムートンやニットブルゾン、ウールコートの下にひっそりと潜んでいる。ハイブリッドされたコートは、ライダースとダウンまたはファーコートを合体させて登場。
今季のアウターは、肘パーツを再構成。アームはメンズサイズなのにボディは華奢に仕立てたり、ジップをあしらい中からライナーをのぞかせたりして、新しいフォルムを形成している。また、肩やひじのあたりにパッチワークしたファーも、独創的なデザインを後押しする。