メゾン キツネ(MAISON KITSUNÉ)の2016-17年秋冬メンズコレクションは、題して「Love Rises」。ブランドのルーツの1つである、日本の伝統に敬意を表し生まれたワードローブは、まさに“日出ずる国への愛”が立ち昇るものとなっている。
宮崎駿監督のアニメーション映画『風立ちぬ』で描かれた美学と、夢のような世界観と共に、コレクションでは1930年代の飛行服を基調にしたアイテムが登場。ルックの背景も、富士山や桜などを鮮やかなタッチで描き、1枚1枚を作品として完成させている。
日本特有のシルエットや着心地の良さ、気品のあるデザインを、鮮やかなブルーやモーヴ、レッドをベースに、それらを引き立てるダークネイビーや緑がかったグレーの色彩を基調として表現。日の丸が描かれたニットや、丹前のようなアウターなど随所に「和」アイテムを散りばめている。
多彩なモチーフに目が行きがちだが、テキスタイルも実に表情豊か。コットンやフランネル、ブロード、ベルベットと言ったオーガニックな素材をふんだんに用いた。他にもボンバージャケットには、切りっぱなしのフェルトを用いたり、ライニングにカモフラージュ柄のジャカードを使用したダッフルコートなど、ディテールにブランドらしい遊び心を挿し込んだ。