ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)の2011-12年秋冬コレクション。「人間誰しも善意と悪意、表裏一体の二面性を持っている」をコンセプトに世界観を造り上げた。
素材はニット、レザー、ベルベット、ウールなど。ロイヤルブルーやレッドに彩られたタータンチェック、ブロックチェックなど大胆でインパクトがあるルックから始まる。ショーが進むにつれてグレー、チャコールグレー、ベージュなどのグレンチェックや無地の、シンプルシックなスタイルが目立った。
タートルネック、ジャケット、シャツやトレンチコートなど上品できちっとした印象なアイテムがメイン。と思いきや、アヴァンギャルドな緑色のネイル、スタッズの付いたアームバンドやグローブがダークな部分として息づく。
タータンチェックのニットにグレンチックのパンツというコーディネート。トップスにかかるグラデーションは、まるで「善意」にさり気なく交じり混んだ「悪意」を表現するよう。更に両腕に留められたスタッズ付きのアームバンドが、ただのグッドボーイではない事を主張。キャメルのジャケットにエレガントなシルエットのパンツのスタイルは、物腰の柔らかさが感じられる。しかし、スタッズ付きのグローブ。たったそれだけの存在で隠された反逆の精神や強い意思を思わせる。上品なコーディネートにも関わらず、小物の使い方一つで男性としての威厳を放っている。
トラディショナルな表情を見せる表向きとは異なる、ストリート感を要所に取り入れた今回のコレクション。相反するエッセンスを駆使し、二面性の混乱の中に潜む反応を映し出した。