ケンゾー(KENZO)とH&M(エイチ&エム)がコラボレーション。「KENZO×H&Mコレクション」は、H&M 原宿店、銀座店、渋谷店、新宿店、名古屋松坂屋店、心斎橋店、およびオンラインストアにてメンズ・ウィメンズともに、2016年11月3日(木・祝)より発売される。
これまで多くの著名デザイナーとコラボレーションを提案してきたH&M。今回彼らが選んだのは、ユニークで若々しいスピリットを表現している、活気と遊び心に満ちたKENZOだ。
ウンベルト・レオンとキャロル・リムがクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、独自のセオリーを掲げ、パフォーマンス性の高いショーやアーティストとのコラボレーションを発表しているKENZO。2016-17年秋冬コレクションでは、日本のアニメ「セーラームーン」にフィーチャーし、個性豊かなピースを披露した。
KENZO×H&Mコレクションは鮮やかなカラーとプリントに溢れている。KENZO創設者の高田賢三による民族プリントのリボンドレスといったアーカイブも、フレッシュに再解釈され新たなファッションとして提案。ウェアはどれも個性的で、タイガープリントのロールネックトップスやジャカード織のタイガーソックスシャフトブーツなど、ここでしか出会うことのできないユニークなものが揃う。
また、メンズアイテムも取り外し可能なプリントの襟付きパーカーやタイガープリントのジーンズなど、華やかな装いが充実。足袋ソックスやタイガープリントのキャップ、編地のプリントスカーフ、ショルダーバッグと小物も幅広い展開だ。KENZO×H&Mコレクションのビジュアルには 日本からは坂本龍一が選出され、クロエ・セヴィニー、ロザリオ・ドーソンなどともに、コラボレーションウェアを纏って登場している。
11月3日(木・祝)の発売に先駆け、KENZOクリエイティブ・ディレクターのウンベルト・レオンとキャロル・リムが来日。コラボレーションの経緯や掛ける思いについて話を聞いた。
なぜ参加を決めたのでしょうか。
ウンベルト:最初にH&Mと話をしたのは2年前。その時点で、H&Mは様々なブランドとコラボレーションをしていて、参加すればきっとエキサイティングな企画になるだろうなと思いました。
そこから2年かかったのは、実現するのに完璧なタイミングを待っていたのが一つ。そして、スペシャルなものにしたかったという思いがあったからです。
キャロル:新しい人々との出会いも参加を決めた一つのきっかけです。特に、H&Mのファンと初めて出会えたことは嬉しい。また、様々な方々と一緒にお仕事に取り組めたことも貴重な機会でした。
KENZO×H&Mコレクションのコンセプトを教えてください。
ウンベルト:デザインをするとき、お客さんが求めていることを初めに考えます。今回は、高田賢三のアーカイブ、そして僕たちが創り上げてきたアーカイブを合体させて、新たなものを作りたいなと考えていました。
例えば、リボンドレスは、高田賢三の時代に生まれたのはたったの2着。世の中に2着しか存在しえないものでした。このアーカイブをH&Mとクリエーションすることで再現でき、ある意味クチュール的なものをより多くの人が楽しめるようにすることができました。
左) 1972年のオリジナルロゴがインスピレーション源
右) 80年代のキャンペーンから生まれたタイガープリント
具体的に刺激を受けた高田さんのアーカイブピースはありますか?
ウンベルト:1972年のオリジナルロゴは、スウェットトップスのモチーフとして落とし込みました。また、80年代3人のモデルを起用して‟クールルック”と打ち出したキャンペーンから得たアイデアは、タイガープリントへと形を変えています。
私たち特有のアプローチは、どれもウォッシャブルにしていること。現代的であること、機能的であることは、どのコレクションでも用いてきたポイントなんです。高田賢三ならではの美しいシルエットやフォルムはそのまま再現し、そこにモダンな手法を投下して、融合させている。高田賢三のアーカイブと僕たちのアーカイブがうまく調和するところが、面白いですよね。
最も難しかったところは?
ウンベルト:H&Mは、最良の価格でファッションを提供している。その中でKENZOのクチュールレベルを保って新しい作品を作り出すことが一番チャレンジングでした。
私たちは、ファンにサプライズを与えることが好き。着物を新しいファッションへと変えたり、全ての洋服をリバーシブルにして1パターンだけでなく2パターンで楽しめるようにしたり。ラッフルドレスはリボンを3m、ラッフルを15mを使って創り上げましたし、シルクは100%のものにこだわりました。
KENZOのコレクションとコラボレーションコレクションの違いはありますか。
ウンベルト:KENZOでも、キャンペーンから広告まで全てを手掛けているので、クリエイティブ・ディレクションの面では違いはないです。ただし、H&Mとのコラボレーションでは、アーカイブを大きく打ち出しました。今まで自分たちのコレクションで、アーカイブのプリントやモチーフを再現したことはありましたが、ここまで打ち出したことはありません。これはH&Mのために行った特別なことだと思います。
キャロル:そのため、一つひとつが特別なピースになっています。アイテムごとに、アーカイブを甦らせているので、思い入れがある。KENZOのこれまでを相対的に打ち出しているので、特別感に溢れていますよね。
明後日(11/3)いよいよ発売ですが、いまの気持ちは?
キャロル:とにかくワクワクしています。お客様がたくさんお店に来てくれたらいいなと願っています。実は、私はH&Mが初めてカール ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)とコラボレーションしたとき、ニューヨークのお店に並んでいたんです。コラボレーションを待ち望んでいた気持ちを今でも覚えています。そのワクワク感を東京の店舗で見られるのを楽しみにしていますし、お客様にも私と同じ感覚を感じて欲しいなと思っています。
ウンベルト:ストリートで、KENZO×H&Mコレクションがどんな風に着こなしてもらえるのか楽しみです。特に、日本人は色々なスタイルをミックスして、ファッションを楽しんでいますよね。メンズコレクションも際立つようにデザインしているので、男性も女性と同じように楽しんでもらいたいなと願っています。
なぜ発売前のタイミングで東京へ?
私たちは、KENZOのクリエイティブ・ディレクターになって6年になりますが、いつも高田賢三の功績に敬意を払っています。KENZO×H&Mコレクションを通して、高田賢三が残した功績を日本の皆さんに伝えられる良い機会となったと考えています。70年代に日本を離れてパリで活躍された高田賢三。彼の恐れを知らないチャレンジ精神をファッションを通して、表現できたなと思っています。
【アイテム詳細】
KENZO×H&Mコレクション
発売日:2016年11月3日(金)
取り扱い店舗:H&M 原宿店、銀座店、渋谷店、新宿店、名古屋松坂屋店、心斎橋店、オンラインショップ