Y-3(ワイスリー)の2017年春夏メンズコレクションが、2016年6月26日(日)、フランス・パリで発表された。ランウェイが黒い敷居で区切られ、客席と隔絶された会場。照明が落とされ、幕が取られると、青白く光る真っ白いランウェイが現れた。
ショーの序盤に登場したのは、全身を黒に統一したコーディネート。シューズのディテールだけに赤が使われている以外は全てが黒に染まっているのだが、ベルトやジッパー、テーピングなどを駆使し、立体感のあるスタイリングを披露した。
モデルの髪型やスニーカーのソールなどが、四角く整えられ、全体的に無機質な印象を受ける。サンバイザーをるけているルックも見られ、シューズのレースはゴム製に。近未来的な世界観を見せたのち、パレットはランウェイと同じような純白へと変遷する。
膝からレースが伸びているものや、斜めにジッパーを伸ばしたものなど、変化球のデザインがワードローブに深みをもたらす。そこから、青やもう一度ブラック、スリーストライプを使ったデザインと、他パレットやコーディネートに色彩や個性が載せられていく。
途中には酸素ボンベのようなものが取り付けられたウェアが登場。最後に3体続いてきたルックは、洋服にファンが取り付けられていた。単なるデザインと思っていた瞬間。洋服は空気を吸い込み出しパンパンに。丸々と膨らんだブラックの洋服は、異なる生命体のような感覚さえ抱かせるものだった。