2011年11月15日、ジャパンファッションウィーク(東コレ)の初日を飾る記念イベントとしてポール スミスが招待され、2012年春夏コレクションを披露した。 ショーに先立ち、デザイナーのポール・スミスたっての希望で招待客に向けてのスピーチが行われた。「日本でショーを開催するのも、メンズレディースのコレクションを同時にショーでお見せするのも初めてです。そんなショーを、日本のファッションウィークの第一日目に開催させていただけるのはとても光栄です。 私は日本に1980年代初頭に来日し、それ以来ずっと日本についてその文化や和食、歴史をじっくり堪能し、日本の方々とのふれあいを楽しんできました。ですから、今回のショーのテーマは「I LOVE JAPAN!」。なぜなら、I LOVE JAPANですから!」
レディースのコレクションは、ポール・スミスが大好きな、ボーイッシュなおてんば娘をイメージ。友人のアーティストやデザイナー、建築家達のスタイルからインスパイアされたという。ボーイフレンドサイズのシャツをさらっと着崩して、足元はローファーで辛口のマニッシュスタイルを提案。ドレスはシンプルでイージーなシルエットで、ソフトな生地がひらひらと舞って、さりげない女性らしさを印象付けている。テーラリングスタイルは鮮やかなパステルカラーが新鮮。
メンズはシックなテラコッタやダークネイビー、そしてヴィヴィッドなオレンジがキーカラー。高いテーラリング技術に裏打ちされた上質でシンプルなシルエットに、絶妙なカラーブロッキングが加わって、オリジナルなスタイルを作り上げた。
記念すべき日本での初のランウェイショーとあって、BGMはビートルズ、ローリング・ストーンズなどブリティッシュテイストでいっぱい。フィナーレでは「ALL YOU NEED IS LOVE」をバッグに、「I LOVE JAPAN」のメッセージ入りシャツを羽織ったポール・スミスが、七色のシャツ姿のモデル達と共に笑顔で登場。そこに込められたメッセージは「毎日が新しい始まり」。虹の向こうには必ず光が待ち受けているからという、彼の日本への深い愛情が伝わって来た。
ショーを終えたポール・スミスは、「僕は日本にいるだけでわくわくするくらい日本が好きで、来日回数は80回近くになりました。日本に来始めた当初はエコノミークラスで、しかもアラスカ経由。日本に着く頃は僕の長い脚が疲れて困ったものですよ。」と懐かしい日々を振り返りながら、日本でショーを開催できた喜びと感謝の気持ちを招待客や報道陣たちに語ってくれた。