インプロセス(IN-PROCESS BY HALL OHARA)が2012年春夏コレクションを発表した。コレクションのタイトルは「RITUALISTIC PROGRESSION」。「ヨーロッパの儀式形式VSアメリカの発達」をコンセプトに、ヨーロッパの儀式的なデザイン主体だった時代のファッションから,大量生産が進み、近代主義の流れを受けアメリカが力を持ち始めた時代のファッションを現代の洋服に落とし込んだ。
ヨーロッパの儀式ばった習慣的なファッションが主流だった、主にヴィクトリア時代、エドワード時代のディテールやカラーパレットを、近代アメリカが確立した機能的でシンプルなスタイル、そのシルエットや素材が見せるコントラストがデザインの原点になったという通り、黒をメインカラーにダークでリチュラル(儀式的な)世界が作り出された。
ギャザー、ボックス・フリル、パフスリーブ、そしてジャンヌ・ダルクをイメージしたグラフィックプリント、アメリカを象徴する星条旗やスープ缶プリントが、コンセプトを全面に押し出してくる。一方で、ゆったりとしたシルエットや天然素材を採用することで、リラックスした雰囲気を持たせ、リアルクローズであることも意識させてくれる。
「日本社会では今日、「自由なき規律」と「規律なき自由」の両極端な情勢が多く見られる事態になっているように思う」と現代社会に疑問を投げかけたデザイナーの二人は、「 今こそバブル時代を経験した団塊世代から若い世代への移行、発信力が必要だ」という強い想いをコレクションに込めた。