メゾン マルジェラ(Maison Margiela)の2017-18年秋冬メンズコレクションがフランス・パリで発表された。
今シーズンはランウェイを行わず、プレゼンデーション形式での発表となった。それは、より1人の人の日常に寄り添う服、そして着る人によって良さが変わるスポンテニアスな服の提案を行うためだという。
DIYをデザインに取り込んだファージャケットは、ゴワゴワしていて決して手触りがいいわけでは無い。なぜならカラーは全てオーバーダイなどではなく、手作業のスプレーで行われているからだ。ディテールにおいても同じくDIYの要素が隠されており、アウトドアのミリタリーコートはロープが取りつけられていて変形が可能。また、ハイウエストパンツはあえて解体することで構築され、ベルト上部分は切りっぱなしで糸が飛び出ている。
ミリタリーコートは、そのニュアンスからはかけ離れた上質なカシミア素材からできている。上から羽織ったのは1枚のダウン生地を解体したベスト。横には紐が取り付けられており、構造で言えばさらりとショールを羽織るような感覚で着られる。上質さをベースに平面から立体へと変わる過程を想わせるという点は、さりげなくブランドの真髄を突いている。
そして今シーズンもコレクションの中には「RE-EDITION」のタグが添えられたアーカイブアイテムも登場している。ブランドのコアとなる部分を抑えながら次のステップへと進むことがこのシリーズの目的としている部分。1人のひとの日常に寄り添う服を作り出す原点ともいえるのではないだろうか。