サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)の2018年春夏メンズコレクションが、2017年6月18日(日)にイタリア・ミラノで発表された。
イタリアからフランスに広がる、太陽が降り注ぐリビエラ(海岸)を想起させるリラックスしたムードが会場を包み込む。クリーンであり、ふんわりとエレガント。都会の喧騒を忘れさせてくれるような、和やかな空間がそこにはあった。
登場する服も、その透明感に沿うアースカラーやアイボリー、優しいピンク、ライトブルーなど、気分がウキウキするようなパレットが繰り返される。視覚だけで自然の木のぬくもりや流れる水さえもを想像させ、見るものをリゾートへとエスケープさせる。
軽快で、心地の良いシルエットは、フォーマルにもカジュアルにも共通するもの。裏地のないミニマルなジャケット、まるでキュロットのように広がるショートパンツ、さらりと羽織れるガウン、それからオープンカラーのシャツ。それらをフレキシブルに合わせれば、フォーマルな場であってもカジュアルな気分を味わうことのできるような、まさに海辺で過ごすにはちょうどいいスタイルが完成する。
そして、何よりも多様なファブリックがこのコレクションの雰囲気をつくる基だ。タツノオトシゴを描いたベロア、スポンジのようなテクスチャーのポロシャツやカーディガンなど素材にモダンなアレンジを加えた。かと思えば対照的に、クラシックな英国式のチェックやサルトリアル・ファブリックも提案している。さらにもうひとつ。今回は、ブランドらしい上質なレザーの落としどころが独特。余分な要素をそぎ落とし、ゴム引きのウィンドブレーカー、裏地がオーガンジーになったスエードジャケットといった、これまでなかった新発想で楽しんでいる。